【早大-立命大】全日本大学選手権準決勝の第2クオーター、突進する立命大のQB竹田剛選手(中央)=ヤンマースタジアム長居で2024年12月1日、松田雄亮撮影

 アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝「三菱電機杯 第79回毎日甲子園ボウル」(毎日新聞社、日本学生アメリカンフットボール協会主催、三菱電機特別協賛)は15日午後1時5分、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)でキックオフし、9年ぶり9回目の優勝を狙う立命館大(関西1位)と18年ぶり6回目の優勝を目指す法政大(関東1位)が対戦する。

 全日本大学選手権は今年から大会方式が変わり、関東と関西はリーグ戦の上位3校が出場。準々決勝以降、関東と関西の対決が行われた。法大は準決勝で大会史上最多の6連覇中だった関西学院大(関西2位)を破り、2年連続20回目の出場を決めた。立命大も準決勝で早稲田大(関東2位)を降して9年ぶり10回目の出場を果たし、初年度は関東、関西の1位校同士の顔合わせとなった。

 両校の対戦は16年ぶり7回目で、過去の対戦成績は立命大の5勝1敗。

 立命大は関西学生リーグ最終戦で関学大を破り、6勝1敗の1位相当で全日本大学選手権に進んだ。早大との準決勝で試合開始直後に見せたスペシャルプレーに、チームが今季にかける思いの強さが表れていた。

 キックオフ直後の攻撃シリーズ、第4ダウン残り1ヤード。WR有馬快音選手(2年・滝川)が左のレシーバーの位置から中央に動くと、自らスナップを受けて突っ込み、第1ダウンを更新した。有馬選手は「ずっと準備していたプレー。何としても流れは渡したくなかった」と語った。

 チームはこの攻撃をタッチダウン(TD)につなげて勢いづく。前半にあった残り4回の攻撃も全てTDを奪うなど、早大を圧倒した。

 今季の立命大はランプレーが大きな武器だ。森本恵翔選手(4年・初芝橋本)、木坂太一選手(4年・大産大付)ら屈強なOL陣に支えられ、フィジカルとスピードを兼ね備える主将の山崎大央選手(4年・大産大付)、俊敏性に優れる蓑部雄望選手(2年・佼成学園)の2人のRBがフィールドを駆け回る。法大相手にもライン戦で優位に立ち、ランを進められるかが鍵となる。

 獲得距離がリーグトップの1328ヤード(成功率69・0%)と、昨季から精度を大きく向上させたQB竹田剛選手(3年・大産大付)のパスにも注目だ。

法政大と立命大の予想先発メンバー

 ディフェンス陣は、塚本直人選手(4年・東山)、野村彦選手(4年・関西大倉)らDLが強力だ。法大攻撃陣は技術や身体能力が高く一発TDの脅威があるだけに、QBサック4回とリーグトップだったLB大谷昂希選手(4年・大産大付)らを中心に食い止めたい。

 性格も考え方も多様な選手たちを山崎選手の熱いキャプテンシーで引っ張り、9年ぶりの聖地にたどり着いた。「真のチームワークを作るために本音でぶつかり、時には厳しいことも言ってきた」と山崎選手。一つに結束した「個性派集団」が頂点のみを見据える。【深野麟之介】

立命大チーム史

 関西で5校目として1953年に創部。87年からスポーツ選抜入試の学生が入学するようになると、88年以降は1部リーグ3位以上を維持する。拠点を滋賀県のびわこ・くさつキャンパスに移した94年にリーグ初優勝し、毎日甲子園ボウルも初制覇。甲子園ボウルで2002年から3連覇など優勝8回、日本選手権・ライスボウルも優勝3回を誇る。

立命大今季成績

<関西学生リーグ>

○48―12 阪大

○71―6 桃山学院大

○59―7 近大

○48―31 神戸大

●13―24 関大

○28―7 京大

○24―14 関学大

<全日本大学選手権>

準々決勝

○56―3 東北大

準決勝

○52―27 早大

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