毎年、現役プロ野球選手100人に独自取材を行い、打撃や投球など各分野のNo.1を決定するフジテレビ「すぽると!」の人気企画「プロ野球100人分の1位」。
16年目を迎えた2024年は、「変化球」「打撃」「守備」「直球」「走塁」の5部門で調査。果たして現役選手が選んだ各分野の最高選手とは!
2024年の第3弾は「守備部門」。この部門、過去10年間の1位は広島の菊池涼介内野手と西武・源田壮亮内野手のみ。2人の牙城を崩す選手は出てくるのだろうか。
同票で並んだ第4位の選手から紹介していく。4位にはショートを守る2人の選手がランクインした。
この記事の画像(21枚)第4位:7票/村林一輝(楽天)
「送球ミスもほぼないですし、守備範囲も広いですし」楽天・小郷裕哉外野手(28)
「ハンドリングがとても柔らかい。お手本になるショートの人だなと思います」オリックス・曽谷龍平投手(24)
「セ・リーグにいるときは、あんまり見る機会がなかったんですけど、パ・リーグに来てうまいなって思った」オリックス・西川龍馬外野手(29)
1人目は楽天の村林一輝内野手(27)。
プロ9年目の今シーズン、自身初の開幕スタメンをつかみ取ると自己最多となる139試合に出場し、持ち前の広い守備範囲を生かしファインプレーを連発した。
村林選手の守備は、チームメイトのピッチャーたちも称賛。
「深い位置からでも強い球でアウトにするので、ショートにいて安心感がある。そっち方向に飛んだら何とかしてくれるんじゃないかなという期待感がある」楽天・則本昂大投手(33)
「難しい打球も簡単にさばいて、ヒットになったと思っても追いついてくれたりとか。はい、完璧です」楽天・藤井聖投手(28)
第4位:7票/源田壮亮(西武)
「打球が飛んだらそこにいるなみたいな」西武・武内夏暉投手(23)
「普通のプレーも見惚れてしまうというか、見てしまう美しさがあるなと思います」オリックス・宮城大弥投手(23)
「同じプロでもこんなに差が出るのかっていうふうに感じた」西武・今井達也投手(26)
もう1人の4位は西武の源田壮亮内野手(31)。この部門で3年連続1位を獲得してきた名手がここで登場。
7年連続のゴールデン・グラブ賞を獲得した源田選手は、今シーズンのエラーがわずか4つと自身最少記録を更新した。
そんな源田選手の真骨頂と言えば、ファインプレーを“ファインプレーに見せない”守備。
「他の人だったらファインプレーになるのを、さらっと普通ですよみたいな顔して」西武・佐藤龍世内野手(27)
「あんまり飛び込んでるところを見てないですね。球種とかでもポジションを変えてると思うし、すごい感性を持っているんだなと思うときがありますね。」西武・外崎修汰内野手(31)
また、源田選手には“ファインプレーに見せない守備”だけでなく、“見えないファインプレー”も。
「僕の守備位置まで、『龍成、ちょっと前守ったほうがいい』とか『ちょっと後ろ』とか言ってくれたりしますし、自分に余裕があるんで、すごく周りのことを見てくれてる。心強いですね」西武・佐藤龍世内野手(27)
“視野の広さ”でもチームを救っていた。
第2位:13票/吉川尚輝(巨人)
第2位も2人の選手が同票でランクイン。
「抜けたと思ったらそこにいるし、送球も強い」DeNA・牧秀悟内野手(26)
「予測と判断。すごく頭を使ってやってるなと思います」巨人・岡本和真内野手(28)
「抜けるボールが抜けないみたいな。エラーしているところを見たことないなって感じです」阪神・才木浩人投手(26)
第2位の1人目は巨人のセカンド、吉川尚輝内野手(29)。
今シーズン、両リーグ最多得票を集めゴールデン・グラブ賞を初受賞。圧倒的な守備範囲の広さに、対戦した選手からは思わず本音が。
「それちょっと反則じゃないのかなと思うくらい。セカンドが(ファーストの)後ろにいたりすることがあるので、もうやめてよっていうのはいつも言ってます。そして、これから先も言っていこうと思います」DeNA・佐野恵太外野手(30)
ライバルチームが守備範囲の広さを賞賛する一方で、チームメイトが評価したのは、その的確な判断能力だ。
「状況判断能力も含めて全部の面でナンバーワンだと思います。あそこの打球をセカンドでアウトにしてくれるんだとか、得点圏とかでランナーを止めてくれたんだとか」巨人・菅野智之投手(35)
「先の塁をアウトにしてくれる。もちろんアウト1つ取れれば一番ですし、速ければゲッツーを取れる」巨人・戸郷翔征投手(24)
的確な判断で1つ先の塁を刺す。
吉川選手は、今シーズン、セカンドで最も多くのダブルプレーを完成させた。
2024年 併殺完成(セカンド)
1位 巨人・吉川尚輝 94
2位 楽天・小深田大翔 87
3位 阪神・中野拓夢 84
第2位:13票/万波中正(日本ハム)
「もう異次元ですね。あの守備範囲と送球の肩と精度」オリックス・森友哉捕手(29)
「自分のやるべきことを忘れて、あのバックホームに見とれてしまう」日本ハム・郡司裕也捕手(26)
第2位にランクインしたもう1人は恐るべき強肩の持ち主、日本ハムの万波中正外野手(24)。
シーズン中、幾度となく見せたレーザービーム。
7月14日のソフトバンク戦では、ライト前ヒットで二塁からホームを狙った球界屈指のスピードスター、ソフトバンクの周東選手を持ち前の強肩でホームタッチアウトに。
「周東さんをホームで刺したときの、あのバックホームが一番エグいなって思いましたね」日本ハム・田宮裕涼捕手(24)
「本当に助けられましたし、ランナーが周東さんだったので、これはもう敵がいないなと思いました」日本ハム・伊藤大海投手(27)
万波選手がランナーを刺した数は12球団トップの11回。
2024年 補殺数(外野手)
1位 日本ハム・万波中正 11
2位 ソフトバンク・周東佑京 8
3位 阪神・近本光司(他4名) 6
そんな万波選手がライトにいることで、ある効果が生まれるそうで…
「犠牲フライは無理なんじゃないかなって思わせる“抑止力”」西武・隅田知一郎投手(25)
「“抑止力”がもう完全に働いていて、1つ先の塁を盗めなくなっちゃってる、ライトに飛んだ瞬間に進めなくなっちゃっていると、見ていてすごく思います」ロッテ・西野勇士投手(33)
第1位:34票/矢野雅哉(広島)
「忍者みたいな」中日・岡林勇希外野手(22)
「忍者のよう」ロッテ・佐藤都志也捕手(26)
「エグいな~。エグいしか出てこないですね」阪神・森下翔太外野手(24)
「菊池とか今宮、源田が出てきたときか、それ以上ぐらいの衝撃」ロッテ・角中勝也外野手(37)
34人もの選手から票を集めて、見事、1位に輝いたのは広島のショートを守る矢野雅哉内野手(25)。
「外見からインパクトがある(笑)。髪形のパンチパーマが利いてますけど、守備もパンチが利いてるなと思って」DeNA・桑原将志外野手(31)
パンチパーマがトレードマークの矢野選手、高い身体能力をいかした超人的なプレーと強肩から繰り出される“矢の”ような送球を多くの選手が絶賛した。
「マツダスタジアムはけっこう難しい。すごくイレギュラーしたり、芝生との境目でバウンドが変わったりしながらの中で、どんなところでも対応していく」DeNA・梶原昂希外野手(25)
「そこからその態勢で投げるのかというプレー、うちも結構やられたし、他のチームもやられているのをいっぱい見てきたので。やめてほしいですね」阪神・佐藤輝明内野手(25)
「めちゃくちゃな体勢からノーバンでファーストにえげつない球を投げるので、そういうのも含めてえげつないと思います」中日・石川昂弥内野手(23)
矢野選手の守備範囲のデータでは、ショートだけでなくサード、セカンドの位置まで網羅していることが分かる。
矢野雅哉の強肩武勇伝
過去10年、守備部門の1位を分け合ってきた広島・菊池選手と西武・源田選手の2強を上回り、この部門の頂点に立った矢野選手。
表彰に訪れた「すぽると!」ディレクターがびっくり仰天する、強烈なエピソードを淡々と話してくれた。
矢野:
「肩が強いのを実感したのは高校2年生のころぐらいかな。全国のスポーツテスト、測定みたいなのがあったんですけど、123m遠投で投げて全国1位になって、それで強いなと思った」
ディレクター:
「123m!? すごい…。」
選手たちの声の中には「ピッチャーをやっても150km/hで投げられるんじゃないか」という意見もあったが…
ディレクター:
「実際に投げてみたことはありますか」
矢野:
「少しだけ。そのときは150km/hです」
ディレクター:
「ええっ。実際にマウンドに立ってですか!?」
矢野:
「そうです」
ディレクター:
「……。すごいですね」
異次元プレー連発で見る人を魅了する矢野選手。パンチのきいたエピソードでも我々を魅了してくれた。
(「すぽると!」12月8日放送より)
『すぽると!』
12月14日(土)24時35分
12月15日(日)23時15分
フジテレビ系列で放送中
※12月15日(日)に「プロ野球100人分の1位“直球部門”」を放送予定
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