練習する平野壮琉さん(中央奥)らメンバー=京都市で2024年9月4日午後6時4分、川畑岳志撮影
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 2本の縄を使う縄跳び「ダブルダッチ」の全国大会で同志社大のチームが2位になり、12月7日に米ニューヨークのアポロシアターで開催される国際大会に出場する。歴史は浅いが日本の大学生を中心に盛り上がっている「アーバンスポーツ」で、メンバーの同大グローバル地域文化学部4年、平野壮琉(たける)さん(23)=大阪府四條畷市=は「大学生活の全てをささげて磨いた技術で世界の観客を沸かせたい」と意気込む。

 衣装に身を包んだメンバーがアップテンポな音楽に合わせて2本の縄を跳びながら踊ったかと思えば、別のメンバーが派手なアクロバットを披露する。縄の回し手も代わりながら各メンバーが目まぐるしく次々に技を決め、観客は歓声を上げる。スポーツというよりも「ショー」だ。

 一般社団法人「日本ジャンプロープ連合」(東京・増田明美理事長)によると、ダブルダッチは1992年に日本に伝わったという。現在は大学サークルや教室など全国に約70団体があるほか、プロチームも現れてきているなど、国内でも徐々に広がってきている。

 この大会では3~6人のチームで技術力▽表現力▽構成力▽オリジナリティー▽完成度――の合計点を競う。平野さんが所属するチーム「YESMAN」(イエスマン)は、10月に神奈川であった全国大会「ダブルダッチデライトジャパン」で構成や技術が評価され、2位に入賞した。

 チームは同志社大4年の▽桐畑拓人さん(23)▽勝山誠也さん(21)▽嘉屋茜さん(同)▽清水夢実さん(同)▽山下ひかるさん(同)――を加えた6人。勝山さん以外は、大学から始めた初心者。平野さんは高校まで陸上をしていてダブルダッチを知らなかったが、友人に誘われて行った同志社大サークル「シルブプレ」で先輩のパフォーマンスに魅了されて始めた。「それまでの縄跳びのイメージと違った」

 初めは縄を跳ぶのはもちろん回すことすら難しかったが、練習すればするほどできる技が増えることがうれしくて没頭した。2年生以降は全国大会を目標にするようになり、練習頻度も週5日ほどまで増えた。そのおかげもあってめきめき上達したが、4年生になり大学「最後」の2023年大会ではミスが響いて関西大会で敗退した。

 全国大会出場の夢はついえたように思えたが、その後カナダ留学のため大学を1年間休学したことでチャンスは再び巡ってきた。新しいメンバーも加え、他大学の先輩の力も借りながら、「技術の質だけでなく、面白みのある技を盛り込んで観客を飽きさせない」ことを目指して演技を作り上げた。メンバーは就職活動や卒業論文執筆の合間を縫うようにして時間を作り、演技の完成度を磨いた。

 練習の日々は楽しいことばかりではなかった。周囲の友人を見ると旅行や遊びで大学生活を満喫しているように見えた。部活ではないのに「練習があるからごめん」と友人からの誘いを何度も断った。そこまでして目指してきた舞台へ立つ日はもうすぐだ。「歓声を受けられるんだと思うとワクワクが止まらない。もちろん良い結果もほしいけど、楽しみたい」と笑顔を見せた。

 渡航費の足しにするためにクラウドファンディングを募っている。サイトでは大会にかける思いをつづっている。【川畑岳志】

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