今季のセ・リーグ最優秀選手賞に選ばれた巨人の菅野智之投手(35)が26日、記者会見し、「リーグ優勝しながら、日本シリーズに行けなかった悔いは残るけれど、それも含めて良い経験。忘れられないシーズンだった」と振り返った。
今季は15勝3敗、防御率1・67をマーク。4年ぶり3回目の受賞だがこれまでとは全く違った心境という。今季は、かつてバッテリーを組んでいた阿部慎之助監督が就任した。「一緒にプレーした人が監督となり、新しい環境の中で優勝できた。また特別なものになった」と言う。
昨季は故障もあって低迷したが、見事に復活を果たした。「おそらく去年の今ごろは、菅野がMVPを取るとは誰も思っていなかったのでは。僕一人の力ではなく、感謝という簡単な言葉に表せないほど、周りの方に支えられて、この場にいられると思っている」と語った。
東海大4年時のドラフトで日本ハムから1位指名されたが、おじの原辰徳さんが監督を務めていた巨人入りの意思が強く1年浪人するなど、決して順風満帆ではなかった。それでも「野球が大好きだから」という思いを胸に不断の努力を続けてきた。
来季は念願の大リーグ挑戦に踏み切る。「舞台は変わると思いますが、新たなチャレンジができることに感謝して、日々、野球選手としても人としても成長していきたい」と意気込んだ。
巨人からは、2年目の船迫大雅投手(28)も最優秀新人賞に選ばれた。社会人野球・西濃運輸出身のサイドスロー右腕は、中継ぎとして51試合に登板し、4勝22ホールド、防御率2・37とリーグ優勝に貢献した。「目標としていた全試合ベンチ入りもできた。よく頑張ったのかな」と喜びに浸った。
大学で1回、社会人で2回指名漏れを経験し、「3回野球人生死んでます」と振り返る遅咲きの苦労人だ。西濃運輸では先発、中継ぎ、抑えと幅広く起用されたことで「自分の中継ぎで投げる良さ、長所が見えた」ことが活躍につながったという。
来季以降については「新人王に満足せず、タイトルを狙っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。【岸本悠】
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