日本―ベネズエラ(22日・東京ドーム)
「日本一の主将」が、一振りで東京ドームを興奮の渦に巻き込んだ。
直前に逆転を許して迎えた六回、同点に追いつき、なお満塁の場面で牧秀悟(DeNA)が放ったライナー性の打球は、日本の応援団で埋まるレフトスタンド中段へ。一挙4点を勝ち越す最高の一発が生まれた。
2点を追う六回の攻撃は、坂倉将吾(広島)のソロ本塁打と栗原陵矢(ソフトバンク)の押し出し四球で同点に。押せ押せムードで打席に入った牧は、2球目の変化球を強振した。
打った瞬間に本塁打を確信し、一塁ベンチに向かってジャンプをしながら両手でガッツポーズ。ダイヤモンドを回ると、おなじみのパフォーマンス「デスターシャ」でスタンドと盛り上がり、「みんながつないでくれた結果。最高の形になって良かった」と喜んだ。
今季は3位で終わったレギュラーシーズンから巻き返し、26年ぶりに日本一に輝いたDeNAの主将としてプレーした。巨人とのクライマックスシリーズ(CS)では、日本シリーズ進出を決める決勝の一打を放ち、チームの中心選手として結果を残してきた。
井端弘和監督も「役職ではなく、自然とチームを引っ張れる。いるといないでは大きな違いがある」と厚い信頼を寄せる。
今大会は6番に座り、フレッシュな顔ぶれが並ぶ中軸を下支えしている。全勝で通過した1次リーグの後には「やっぱり優勝することが大事。優勝して、監督に勝利を届けたい」。勝利にこだわる頼もしい存在が、若き侍たちをバットで引っ張る。【川村咲平】
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