ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)が、指名打者としては史上初のMVPに輝いた。
ナ・リーグで自身初、ア・リーグを含め3度目の受賞となった。
MLBで通算541本のホームランを打ったオルティス氏でも獲得できなかった栄誉である。
ア・リーグは、ヤンキースのジャッジ選手が2度目の選出となった。
大谷選手とジャッジ選手はともに満票での受賞となった。
・最も優れた打者という栄誉ある「ハンク・アーロ賞」(2年連続2度目)
・ポジションごとに最も優れ打者を表彰する
「シルバースラッガー賞」のDH部門(2年連続3度目)
・最も優れた指名打者に贈られる
「エドガー・マルティネス賞」(4年連続4度目)
・今シーズン活躍した選手を選ぶ「オールMLBチーム」では、
DH部門でベストナインに相当する
「ファーストチーム」(2年連続3度目)に選出。
今シーズンの大谷選手は、ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、ナ・リーグ最多本塁打54、打点130の主要タイトル二冠。
打率3割1分、盗塁59はいずれもリーグ2位。
自身初の打率3割、30ホームラン、30盗塁のトリプルスリーを達成。
そしてMLB史上初のホームラン50本、50盗塁の「50-50」を達成した。
MVP受賞を祝して大谷選手のレギュラーシーズンを振り返る。
■スポーツ史上最高額となった大型契約
ドジャース入団会見で笑顔を見せる大谷選手とロバーツ監督 この記事の写真は18枚 2023年12月15日(日本時間)にドジャースと契約を結んだ大谷選手が入団会見を開いた。
複数メディアによると、スポーツ界史上世界最高額の「10年総額7億ドル(日本円で約1015億円)」で契約を結んだとされ、会見ではドジャースのユニフォーム姿を披露した。
(Q.優勝に対する思いについて)
「優先順位は、いちばん上。勝つことが今の僕にとっていちばん大事なことだと思うし、優勝に欠かせなかったと言われる存在になれるよう全力で頑張りたい」
2023年のMVP発表日に初めて登場した愛犬「デコピン」の名前が公表されたのもこの会見だった。
また、山本由伸投手の入団会見が同年12月28日(日本時間)に行われた。
山本由伸投手「自分の中で本当に勝ちたい、勝ち続けたいということを、すごく自分の中でも優先順位においていたことが、決断の理由だった。そこに一番近いのがドジャースだった」
■世界中から驚きと祝福の声が上がった結婚発表
結婚発表後に取材に応じる大谷選手 2024年2月29日(日本時間)に大谷選手が自身のインスタグラムで結婚したことを発表した。
結婚発表の翌日に行われた取材で、自身の結婚を決断した理由を語っている
「一緒にいて楽しいですし、全体として雰囲気があってるかな」
ロサンゼルスの専門メディア『ドジャース・ネーション』は、「今年獲得する2つの『リング』のうちの最初のものであることを願う」と、結婚指輪とワールドシリーズ優勝チームに贈呈される『チャンピオン・リング』にかけて祝福していた。
また、2023年9月に右ひじの手術を受けて、キャンプインした大谷選手は「トータルの打席数を増やすことがまずはメイン」と回復の状況を説明していた。
■MLBソウルシリーズ ドジャース×パドレス開幕戦「プレーを楽しみにしていた」
韓国に到着した大谷選手と妻・真美子さん大谷選手が所属するドジャースは、3月15日にMLB開幕シリーズが行われる韓国に到着した。
空港では同行する妻・真美子さんの姿も見られた。
(Q.韓国でのパドレスとの開幕戦について)
「プレーを楽しみにしていた。野球も韓国自体も楽しんで頑張りたい」 (Q.先発のダルビッシュ投手について)
「小さいころから見ていて大好きな投手で、本当に目標にしてきたような方だ」 (Q.真美子さんとともに韓国入りしたことについて)
「(一緒に)公式戦自体見るのは初めて。そういう意味ではいい思い出になるんじゃないかなと思う。まずは、自分のやることにしっかり集中したいなと思います」
■韓国での開幕シリーズ 大谷選手VSダルビッシュ投手
MLBソウル開幕戦第1戦3月20日にメジャーリーグ開幕戦ソウルシリーズの第1戦が行われた。
2番DHでスタメン出場したドジャース・大谷選手が、パドレスの開幕マウンドを務めたダルビッシュ有投手から初ヒットを放った。
この試合で5打数2安打1盗塁の成績を収め、ドジャースが5対2で勝ち、開幕戦を白星で飾った。
第2戦はメジャーデビューとなった山本由伸投手が先発。
変化球の制球が定まらず、1イニング打者9人に対して被安打4四球1死球1失点5でノックアウト。
大谷は5打数1安打1打点だった。
試合は両チーム合わせて33安打の乱打戦が繰り広げられ、パドレスが11対15で乱打戦を制し、メジャーリーグ開幕戦ソウルシリーズは1勝1敗で幕を閉じた。
■衝撃が走った通訳・水原一平氏の解雇
裁判所に出廷した水原氏メジャーリーグ開幕戦ソウルシリーズの第1戦が終了して、ほどなくした3月22日、ドジャースが通訳・水原一平氏を解雇したと発表。
その後、水原氏は大谷選手の銀行口座から約25億円をだまし取った罪で起訴され、罪を認めている。
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■ドジャースでの初ホームラン「安心した」■ドジャースでの初ホームラン「安心した」
ドジャース移籍後初となる1号HRを打つ大谷選手4月4日(日本時間)、本拠地でのジャイアンツ戦に2番・指名打者で先発出場した大谷選手は、1点リードで迎えた7回の第4打席。
カウント3ボール1ストライクからの5球目、アウトコース高めの球を右中間スタンドへソロアーチを叩き込んだ。
開幕から9試合目、41打席目で今シーズン初ホームランとなった。
試合後のインタビューでは、待望の一発に安堵したようであった。
大谷翔平選手「まず1本出た、安心しているというのが率直なところ」
■日本人メジャーリーガーの本塁打記録を塗り替える176号 松井越え「率直にうれしい」
松井氏超えのメジャー通算176号を打った大谷選手4月22日(日本時間)、本拠地でのメッツ戦に2番・DHでスタメン出場した大谷選手は、3回の第2打席で、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏と並んでいた日本人メジャーリーガーのホームラン記録を塗り替える176号を放った。
大谷翔平選手「(松井氏の記録を抜いたことは)素直に嬉しいです。ちょっと前回のホームランから(試合数が)かかってはいるのではやく打ちたいなとは思いつつ、今日打てたので安心と喜びがあるかなと思います」
■オールスター 4年連続4度目のスタメン HRは「特別な瞬間」
オールスターで自身初のHRを打った大谷選手7月17日(日本時間)にテキサス州でオールスターが開催され、大谷選手は2番・DHでスタメン出場した。
4年連続4度目のスタメン出場となった。
チャンスで迎えた3回の第2打席に、オールスターでは自身初となる3ランホームランを放った。
大谷選手は3打席で途中交代し、2打数1安打3打点を記録、試合は5対3でア・リーグが勝利した。
日本選手ではオールスターでのホームランは2007年イチロー氏のランニングホームラン以来、17年ぶり、2人目の快挙です。
大谷翔平選手「(オールスターゲームでホームランを)打てたことが、自分にとっては特別な瞬間だと思う」
■オールスターを前のレッドカーペットショーに大谷選手が真美子夫人と登場
レッドカーペットショーに登場した大谷選手と真美子さんまた、オールスター前に恒例のレッドカーペットショーが行われ、大谷選手は真美子さんとともに登場。
大谷選手のジャケットの裏地に愛犬「デコピン」がプリントされるという形でサプライズ登場し、家族そろっての参加となった。
「普段にはない恰好だと思うので(真美子さん)本人も楽しみにしていたと思うので、きょうは楽しみたいと思います」
■デコピンが始球式に登場「打席より緊張した」
始球式に登場してハイタッチをする大谷選手とデコピン8月29日(日本時間)、大谷選手とデコピンが始球式に登場し、大谷選手からの「待て」に、デコピンはマウンドで待機。
そして、大谷選手がキャッチャーの位置につき、デコピンに合図を送ると、デコピンはボールをくわえて大谷選手の元へ駆け寄り、ハイタッチ。
始球式の大役を務め上げる。
「2、3週間練習しました。1回、ここにも来て予習しました」
「打席よりも緊張しました。素晴らしいですね。良いおやつを買ってあげたいなと思います」
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■メジャーリーグ史上初の「50-50」達成「一生忘れられない日に」■メジャーリーグ史上初の「50-50」達成「一生忘れられない日に」
7回に50号HRを打ち「50-50」達成した大谷選手9月20日(日本時間)、大谷選手は敵地マイアミでのマーリンズ戦に「1番・DH」でスタメン出場した。
ここまで48本塁打、49盗塁を積み上げてきた大谷選手。
1回、ツーベースヒットで出塁するとすかさず盗塁を決め、50盗塁を達成。
前人未踏の偉業へ突き進む大谷選手は6回、第49号ホームランを放つ。
記録達成へ王手をかけると7回に待望の瞬間が訪れる。
2アウト3塁、カウント1ストライク2ボール。
4球目に投じられたカーブを捉え、打球はレフトスタンドへ。
打った大谷選手も雄叫びをあげダイヤモンドを回る。
メジャーリーグ史上初の50本塁打、50盗塁達成!
大谷選手はベンチ前で球場の声援に手を上げて応えた。
9回にも3打席連続となるホームランを放ち、チームは大勝し、自身初のポストシーズン進出を決めた。
大谷翔平選手「きょう本当に勝てて良かったですし、(記録を)早く決めたいというのがあったので、きょう決めることができて一生忘れられない日になったと思います」 (Q.2023年に優勝したWBCと同じ球場で記録を達成したことについて)
「一生忘れないと思います。去年もそうでしたけど、自分がプレーしてきた球場の中で好きな球場の一つになったのではないか」
■大谷選手 今季57個目の盗塁 イチロー氏を抜き日本人最多!
シーズン57個目の盗塁成功した大谷選手また、大谷選手はホームランだけでなく、盗塁でも記録を作る。
地区優勝から一夜が明けた9月27日(日本時間)、敵地でのロッキーズ戦に1番・DHでスタメン出場した大谷選手。
2回の第2打席、ワンアウト1塁2塁の場面でライト前へヒットを放つ。
相手が盗塁を警戒するなか、今シーズン57個目の盗塁を決め、イチロー氏が持つ日本人選手のシーズン最多記録を更新した。
最終的に今シーズンは59盗塁を記録。
■自身初の地区優勝「本当によかった。幸せな気持ち」
地区優勝後に余韻に浸る大谷選手、真美子さん、デコピン9月27日(日本時間)、勝てばナ・リーグ西地区優勝が決まるドジャースは本拠地でのパドレスと対戦。
大谷選手は1番・DHでスタメン出場した。
2点を追いかける7回、第4打席を迎えた大谷選手は外角のスライダーを打ち、ライトへの勝ち越しタイムリーヒット。
このタイムリーが決勝打となり、7対2でドジャースが勝利し、3年連続のナ・リーグ西地区優勝を飾った。
大谷選手にとって自身初の地区優勝の栄冠を手にした。
試合終了後、グラウンドでは優勝Tシャツを着ての記念撮影が行われ、妻・真美子さん、愛犬・デコピンもグラウンドに姿をあらわし、喜びの表情を見せた。
メジャー7年目で初のシャンパンファイト後のインタビュー
大谷翔平選手「もうずっとやりたいなと思ってきたので、今日できて本当に良かったというか、幸せな気持ちです」
■今シーズンの成績
デコピンポーズをする大谷選手大谷選手は、右肘手術の影響により2024年は打者に専念し、出場した159試合は全てDHでの出場となった。
メジャーリーグ史上初の50HR、50盗塁「50-50」、日本選手では初のトリプルスリーを達成。
2年連続のHR王や打点王、打者部門10冠に輝いた。
打率:.310 HR:54(★) 打点:130(★) 盗塁:59
安打:197 出塁率:.390(★) 長打率:.646(★)
OPS:1.036(★)※長打率と出塁率を足した数値
得点:134(★) 長打数:99(★) 塁打数:411(★)
ISO:.336(★)※長打率から単打を除いた長打力を示す数値
本塁打率:11.78(★)
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