日本―米国(21日・東京ドーム)
日本の若き右腕が、米国を相手に実力を見せつけた。先発マウンドに上がった中日の22歳、高橋宏斗が、4回無失点と力投した。
試合前日に「技術どうこうではない。(今季)最後の登板になると思うので、悔いだけは絶対残さないように」と語っていた通り、立ち上がりから出力全開だった。先頭打者に対して146キロのスプリットで空振り三振を奪うと、続く打者の3球目は自己最速に並ぶ158キロを計測した。
一回を3者連続三振と上々の滑り出しで波に乗り、三回からは130キロ前後の緩いボールも交えながら相手に的を絞らせなかった。4回を70球で無失点、被安打2、奪三振8。文句のつけようがない投球で、マウンドを譲った。
プロ4年目の今季は中日の大黒柱に成長し、12勝4敗、防御率1・38と圧巻の成績を残した。日本が世界一に輝いた昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に続き、今回も代表最年少で選出された。
井端弘和監督に「国際舞台で一つ上のレベルになってほしい」と、今大会は先発の一角を任されている。15日の韓国戦は4回2失点と本来の力を発揮できなかったが、「1年間を通して素晴らしいボールを投げてきた」(井端監督)と信頼は揺るがず、WBC決勝以来の再戦となった米国を相手に、見事に結果を示した。
登板後は「前回の登板からしっかり修正ができた。何よりゼロに抑えられて良かった」。将来の日本を背負うエース候補が、また一つ大きな経験を重ねた。【川村咲平】
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