来春の第97回選抜高校野球大会の出場校を選考する際の資料となる全国10地区の秋季大会が終了した。20日に神宮球場で開幕した明治神宮大会に出場する優勝校の各地区大会を振り返る。
北海道 東海大札幌は「ダブルエース」
東海大札幌が左右の「ダブルエース」を軸に継投で勝ち上がり、10年ぶりの頂点に立った。
背番号7で決勝を含む3試合に先発した左腕・矢吹太寛(たお)は最速143キロの直球にスライダーなどを織り交ぜ、的を絞らせなかった。エースナンバーを背負った右腕・高橋英汰は主に中継ぎで登板し、計16回を投げて1失点と安定していた。
準優勝の北海も継投で勝ち上がった。小野悠真、浅水結翔、松田収司の3投手を軸に4試合でわずか5失点と投手力の層の厚さが光った。打線も強打だけでなく、エンドランなどを積極的に仕掛ける場面も印象的だった。
4強では、今夏の甲子園に出場した選手が残る札幌日大の総合力が高かった。駒大苫小牧は準々決勝でコールド勝ちを収めるなど強打が際立った。【高橋広之】
東海 大垣日大は左右の二枚看板
全3試合を逆転で制した大垣日大(岐阜)が14年ぶりの東海王者となった。原動力は左右の二枚看板だ。
左腕・谷之口翔琉(かける)は初戦で延長十回を完投。右腕・中野翔真は準決勝で三回途中から好救援し、決勝では4失点しながらも一人で粘り強く投げきった。打線は、機動力のある1番・山口誠之助と勝負強い4番・西河遥人が引っ張る。
準優勝の常葉大菊川(静岡)は粘り強い。準決勝を欠場したが、2試合で打率5割を記録した1番・橘木千空(たちばなき・ちから)が打線の柱。2試合を完投したエース左腕・大村昂輝は制球力の良さが際立った。
4強勢では、至学館(愛知)の右腕・尾崎陽真が打者のタイミングをうまく外す投球術を見せた。岐阜第一は1回戦と準々決勝でコールド勝ちするなど、打線が活発だった。【黒詰拓也】
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