大相撲九州場所9日目(18日・福岡国際センター)
○隆の勝(突き落とし)狼雅●
隆の勝が好調だ。この日は狼雅を動きよく退け、「落ち着いて相手の動きが見える」。大関陣を差し置いて幕内勝ち越し一番乗りだ。
もろ手で突き起こし切れず、相手に左上手を許した。だが、左おっつけで圧力をかけた上での右下手を離しながらの突き落としが土俵中央で決まった。支度部屋では「(幕内勝ち越し1号は)いいですね、なかなか一番ってない」と、人なつっこい笑顔で応えた。
隆の勝は今年、7月の名古屋場所で押し相撲がさえて12勝を挙げ、照ノ富士との優勝決定戦まで進んだ。決定戦は力の差を見せつけられ、賜杯にはあと一歩届かなかった。ただ、「これが俺の相撲だ、というのを名古屋場所でつかんだ」。
一方、所属する常盤山部屋では九州場所前、グラウンドゴルフ大会を開くのが恒例だ。「順位ありで遊びなしの本気」と隆の勝は話すが、今年はその見え方が違った。「少しのことでも集中するとうまくいくんだ」。優勝は逃したそうだが、何事にも集中する大切さを再認識したという。
「幕内優勝はすごいこと」。その厳しさを知るだけに、優勝争いトップでも「(優勝は)片手もかかっていない」と隆の勝は冷静だ。しかし、八角理事長(元横綱・北勝海)も「芯がしっかりして馬力がある」と成長を見る。自信を深めつつある相撲であと6日間挑む。【林大樹】
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