福井が誇るトップアスリート山口茜選手の背中を追うように、卓球界に県内出身の新星が現れました。大野市出身の大藤沙月選手20歳です。日本、世界の卓球界にいまその名を轟かせています。10月の国際大会ではシングルス決勝でパリオリンピック日本代表の張本美和選手を破って優勝しました。彗星のごとく頭角を現した大藤選手ですが、その裏にはあるコーチとの出会いがありました。
  
20日から福岡で始まる国際大会を前に大阪で行われた公開練習では、笑顔で練習に取り組む大野市出身の大藤沙月選手(20)の姿がありました。
  
「誰にも負けない武器はないが、毎日動く練習をしているので女子選手の中ではフットワークはいい方」と自分を評します。
  
小、中、高校と全国トップクラスの成績を残し、2023年からプロ卓球選手としての
キャリアをスタート。大藤選手が一躍脚光を浴びたのが10月にフランスで開かれた国際大会です。
  
シングルスで平野美宇選手、伊藤美誠選手、張本美和選手と日本の実力者3人を破って優勝を果たしました。その躍進の背景には、あるコーチとの出会いがありました。
  
大藤選手は「完璧を求めすぎて、ミスをするとすごく落ち込んでしまう性格だったが、坂本コーチがすごく自分を肯定してくれてポジティブな言葉をかけてくれる。自然的にポジティブになっていった」とコーチの存在を強調します。
  
コーチを務める元・プロ卓球選手の坂本竜介さんは、2023年の秋から大藤選手の精神面の課題に向き合ってきました。「大藤選手は守備的なスタイルで、手堅いタイプのイメージだった。世界で勝っていくためには卓球スタイルをより攻撃的に変えないといけない。そのために、ポジティブに変化することを怖がらず、脳改革、つまりメンタルではなく考え方を変えることが必要で、それは悪いことではないと繰り返し指導した」と語ります。
   
坂本コーチとの出会いを経て覚醒した大藤選手は、20日から始まる国際大会を前に「注目してもらえるのはすごくうれしいが、調子に乗りすぎたり、落ち込んでしまうこともあると思うので、ただ強くなることを目標に頑張っていきたい」と意気込みを語りました。
   
最新の女子シングルス・世界ランキングの日本勢の順位は、最高がパリ五輪シングルス銅メダルの早田ひな選手の5位、続く張本美和選手が6位、そして3番手の8位に大藤選手が入っています。その後には、伊藤美誠選手、平野美宇選手が続きます。
 
大藤選手の夢は、4年後のロサンゼルスオリンピックで、団体、シングルスともに金メダルをとることだといいます。
  
大藤選手は、20日から福岡で開催される国際大会シリーズでの成績上位16人のみが出場する国際大会で、シングルスとダブルスに出場します。

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