プロ野球 ○巨人9―4広島●(12日・東京ドーム)
まだ、はっきり光が差したとは言えないかもしれない。それでももがき、必死にバットを振った先に、ひとつの結果が生まれた。巨人のオコエが今季初打点となる逆転適時打を放った。
六回、1点差に迫り、なお2死満塁で打席に立った。2―2からの5球目、低めの変化球に「くしゃくしゃ(の打撃)でもいい」と食らいつき、バットの先に当たった打球は二遊間をしぶとく抜けた。打球が弱かったことも奏功して2人が生還。試合をひっくり返す一打にドームは沸き、試合後は「ヒットはヒット」と少し控えめに喜んだ。
関東一高からドラフト1位で楽天に入団したが、高い身体能力を生かし切れず、レギュラー定着には至らなかった。2022年12月に初めて実施された「現役ドラフト」で楽天から巨人に加わり、今季が2年目。昨季は41試合に出場し、新天地で再起をかけている。
プロ9年目を迎え、野球人生にとっても一年一年が勝負の年になる。今季は開幕1軍こそ逃したものの、2軍で好調な打撃を見せ、4月3日から1軍に合流した。
実績豊富なベテラン勢に加え、若手の台頭も著しい巨人の外野手争いだが「(周りを)気にせず、自分の出番が回ってきた時に取り組んでいることを再現したい」。目前の白球に集中し、チームの勝利だけを見据えている。【川村咲平】
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