2023年の天皇賞・春を制したジャスティンパレス=JRA提供

 毎日新聞デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が、上半期のGⅠ計12戦を予想します。第6戦は、春の長距離王者を決める天皇賞・春(28日、京都3200メートル)。昨年の菊花賞馬ドゥレッツァが、古馬との戦いも制するのか。それとも……。競馬担当30年の松沢一憲記者は「2頭のマッチレースになるんじゃないか」と分析します。

人気薄の出番は?

 「2014~16年に3年連続で3連単20万馬券が飛び出し、『荒れるレース』のイメージが強いですね。ただ、17~22年は1番人気が連対し、期待に応えています」と真希バオー。「最近は、驚くような波乱は起きていないな。今年も堅いんじゃないか」と師匠は言う。

 「ドゥレッツァと、テーオーロイヤルの力が抜けているよ。2頭のマッチレースになるんじゃないか」と師匠。「この2頭に割って入る余地があるのは、前走の大阪杯(阪神2000メートル)11着から距離延長で挽回できそうなタスティエーラか。人気薄で逆転のチャンスを秘めた馬がいないんだ」とうなった。

 「重賞できっちり結果を残している馬が活躍するレースですよね」と真希バオーが言うと、「そうだ。過去10年で連対した20頭のうち、前走GⅠ組が3頭、GⅡ組16頭、GⅢ組1頭。オープン以下からの臨戦で結果を残すのは厳しいな」と師匠。「前走は、阪神大賞典(阪神3000メートル)組が8連対、日経賞(中山2500メートル)組5連対、大阪杯組が3連対だ。ドゥレッツァは前走が金鯱賞(中京2000メートル)2着と、有力ステップを走っていないのが少し引っかかるが……。大きな割引き材料とは考えなくていいいだろう」

松沢記者の本命は……

 ◎テーオーロイヤル、○ドゥレッツァ、▲タスティエーラ、△ブローザホーン、△サヴォーナ、△ワープスピード

 師匠は、テーオーロイヤルを指名。「昨年末のステイヤーズS(中山3600メートル)で2着と奮闘し、年が明けるとダイヤモンドS(東京3400メートル)を勝利。前走阪神大賞典は、5馬身差の圧勝だった。3000メートル以上のレースで、豊富なスタミナを発揮しているな。22年の天皇賞・春でも3着と適性を見せている。GⅠを制して、長距離界をけん引するぞ」

真希バオーの大胆予想

 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)

真希バオーの馬連5頭ボックス

 (1)サリエラ

 (7)タスティエーラ

 (10)サヴォーナ

 (11)マテンロウレオ

 (12)ドゥレッツァ

 21年は、「長距離も牝馬の時代」と感じた年になった。天皇賞・春で、カレンブーケドールが3着、ウインマリリンが5着と大健闘。同じ年の菊花賞では、ディヴァインラヴが3着。牝馬の新たな可能性を切り開いた。

 今年は、3頭の牝馬が春のマラソンレースに挑戦する。注目は、カレンブーケドールに続いて国枝厩舎(きゅうしゃ)が送り出すサリエラだ。

 前走は、東京競馬場では最長距離の重賞レースであるダイヤモンドSでテーオーロイヤルに首差2着。テーオーロイヤルが続く阪神大賞典を5馬身差で圧勝したことを考えれば、レベルの高い一戦だったことがうかがえる。

 不安材料は、GⅠでの経験が乏しいことか。初GⅠだった2走前のエリザベス女王杯(京都2200メートル)は6着。しかし、後方からメンバー最速の上がりで勝ち馬に2馬身差まで迫ったのだから、素質は十分高い。

 過去5年で延べ4頭もの勝ち馬を出しているディープインパクト産駒で、背中に乗るのはこのレースを8勝している“盾男”武豊騎手。過去10年で4勝を挙げている1枠1番を引き、準備は整った。71年ぶり2頭目の牝馬勝利が見られるかもしれない。

中嶋真希

 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。

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