阿炎(手前)にすくい投げで敗れた大の里=福岡国際センターで2024年11月13日、金澤稔撮影

大相撲九州場所4日目(13日・福岡国際センター)

●大の里(すくい投げ)阿炎○

 新しい地位ならではの課題が生まれている。大の里は2場所連続で阿炎に敗れ、4日目で新大関として初めて土がついた。

 先場所はのど輪からの引き落としで土俵にはわされているだけに、同じてつを踏まないように臨んでいた。しかし、「つかまるより先に、とにかく動きで勝とうと思っていた」と語るくせ者の阿炎の策にはまる。

阿炎(左)に攻められる大の里=福岡国際センターで2024年11月13日、金澤稔撮影

 のど輪でのけぞらされ、左からのおっつけで一気に前に出て勝負を決めようと思ったところをすくわれて、土俵に転がされた。

 2023年5月の夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏み、幕下付け出しでは最速となる所要7場所で幕内初優勝。昭和以降最速の所要9場所で大関昇進と、一気に番付を駆け上がっている大の里。これまでは怖いもの知らずで、一気に前に出る相撲で戦ってきた。しかし、幕内力士との対戦回数が増え、相手の取り口が分かってきただけに、変化もある阿炎を立ち合いで受けてしまったことに一瞬の迷いも感じられる。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「今場所は相撲の難しさを覚えたんじゃない」と、新大関としての試練を語る。「しっかり集中して。切り替えて頑張ります」と大の里。平常心を保って取り組むことが重要となってくる。【藤田健志】

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