1957年10月、ルー・テーズ(左)を「空手チョップ」で攻める力道山=東京・後楽園球場

 戦後日本の復興のシンボルで、1963年に突然この世を去ったプロレスの力道山は14日で「生誕100年」。スポーツにとどまらず実業家としても先進的な感覚を持ち合わせていた。若者には歴史上の人物となりつつあるが、今年も関連本が出版され、写真企画展も開かれた。「昭和のスーパーヒーロー」の力強い伝説は健在だ。

 多様なグッズが所狭しと並ぶ格闘技・プロレスショップの闘道館(東京都豊島区)には世代を超えてファンが集まる。館長の泉高志さん(48)は「彼を研究している20代、30代の方も店に来られる」と話す。

 日本植民地時代の朝鮮半島で24年に出生した(生年は日本相撲協会の記録による)。大相撲に入門して関脇まで昇進したが廃業。51年にプロレスへ転じた。「空手チョップ」で外国人選手をなぎ倒す姿に、敗戦から立ち直りつつある日本人は熱狂した。同時にマンション、サウナなどいろいろな事業を興した。妻の田中敬子さん(83)は「世界を見ている人。この人に付いていくと、私も世界を見られるなと引かれていった」と記憶をたどった。(共同通信)

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