今年のプロ野球ドラフト会議で西武から7位指名された千曲川硬式野球クラブ(長野県小諸市)の古賀輝希選手(24)が5日、指名あいさつを受けた。練習環境に恵まれないクラブチームからの指名は近年まれで、今年もクラブチームからは唯一の支配下指名。古賀選手は「自分が活躍することで、クラブチームの出身でもやれるんだというところを見せたい」と思いを口にした。【高橋秀明】
2013年創部の千曲川クラブは、廃部になった企業チーム「TDK千曲川」の元選手たちを中心に結成された。佐賀出身で佐賀商高から日本経済大(福岡)に進んだ古賀選手は長野とは縁がなかったが、「都市対抗出場も狙える強いチームだと聞いて、入部を決めた」という。
選手たちはそれぞれが仕事を持ち、全体練習をするのは主に夜間や週末。古賀選手自身も採石事業を手がける会社の佐久工場でフルタイムで働きながら、練習を重ねた。
強打の三塁手として主軸を任されていた古賀選手の転機となったのは今年4月。西武のファームとの練習試合で本塁打を放ち、スカウトの目に留まった。
その後、野球に専念するため6月に退社。一人きりでバッティングマシンで1日5時間打ち込み、プロ入りを目指してきた。ドラフト会議では、支配下指名の最後となる全体で69番目に名前を呼ばれ、「待っている間はドキドキしていたが、呼ばれた時はほっとした」と振り返った。
西武の鈴木敬洋スカウトは「長打力と広角にも打てる打撃が魅力で、即戦力と考えている」と期待する。チームから初のNPB(日本野球機構)選手を輩出した千曲川クラブの平林竜也監督は「クラブチームの選手は仕事優先なので練習時間も少ないが、今いる選手にとって励みになる」と指摘する。古賀選手は「開幕1軍を目指してアピールしていきたい。息の長い選手になりたい」と将来を思い描いた。
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