競技を翌日に控え、公式練習に臨む坂本花織=国立代々木競技場で2024年11月7日、猪飼健史撮影

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯の公式練習が7日、東京・国立代々木競技場で行われ、出場選手が調整した。世界女王の坂本花織選手(シスメックス)や2季ぶりの優勝を目指すペアの「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組(木下グループ)、男子で昨年大会覇者の鍵山優真選手(オリエンタルバイオ・中京大)らが氷の感触を確かめた。

 坂本選手は第2戦スケートカナダから帰国後、曲をかけた練習を繰り返し行い、体に新プログラムをなじませてきたという。「カナダの時よりは体の動きも良いかなと思う。カナダより、良い演技で終わりたい」と力強く語った。

 取材エリアには、北京冬季オリンピック団体銀メダルメンバーで、先にGPファイナル進出を決めた樋口新葉選手(ノエビア)が激励に駆けつけた。樋口選手と拳を突き合わせてエールを受けた坂本選手は「新葉、激アツ。しびれた」と刺激を受けた様子だった。

競技を翌日に控え、公式練習に臨む三浦璃来、木原龍一組=国立代々木競技場で2024年11月7日、猪飼健史撮影

 「りくりゅう」の2人は終始リラックスした様子。復活優勝した第1戦スケートアメリカからは、ツイストリフトの修正などをしてきたという。三浦選手は「久しぶりの母国での試合なので、純粋に楽しみたい」と語り、木原選手は「GPファイナルが懸かっているが、自分たちのやることをやって、まずは目の前にあることをクリアしていきたい」と意気込んだ。

 GP初戦となる鍵山選手はショートプログラム(SP)曲をかけた演技で全てのジャンプをクリーンに着氷するなど好調。4回転ジャンプにはいずれも高さがあり、練習終盤には「時間が余ったので」と今季は構成に組み込んでいない4回転ルッツも降りるなど余裕の調整だった。「スタンドを見たら、ジャッジの方やさまざま選手がみていたので、やるしかないと思った」と優勝候補として、猛烈なデモンストレーションだった。「今までの過程をしっかりと信じていけたら」と本人も手応えを口にした。【倉沢仁志】

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