2024年11月10日に最後の号砲がならされる「東日本女子駅伝」。福島県福島市を18都道県の女性ランナーが駆け抜けるこの大会は、今年もハイレベルな戦いが予想されている。秋田県チーからエントリーしているのが、パリオリンピックで6位に入賞した選手の「妹」…負けず嫌いなランナーに注目だ。
<アニメ好きな高校3年生>
秋田県・大曲高校3年の鈴木彩花選手。本格的に陸上を始めたのは高校に入ってからで、そのきっかけとなったのが、姉の存在だという。「姉が大学駅伝で区間賞の走りやチームに貢献している走りを見て、私にもできるのではないかという可能性を感じてやってみようと思いました」と彩花選手は言う。
<姉はオリンピアン>
その姉というのが…2024年のパリオリンピック陸上・女子マラソンで6位入賞を果たした鈴木優花選手だ。過去に、東日本女子駅伝にも3度出場し、世界に羽ばたいた若手ランナーとして多くの人に感動を届けた。
妹の彩花選手もその一人で「世界で走れているということに驚きがあったのと、力強い走りを改めてみて感動しました」と語る。
中学時代はソフトテニス部に所属していた彩花選手だが、姉の背中を追い、同じ高校そして同じ陸上部へ進路を決めた。
<生まれ持った才能が開花>
彩花選手の武器は165センチの身長を生かしたダイナミックな走り。その将来性を期待され2年生から「エース」としてチームを引っ張ってきた。
大曲高校・陸上部の鈴木邑監督は「手足が長いので体を大きく使った走りや、持って生まれた才能的なものもあると思うので、そういったところがさらに使えるようになれば、もっと強い選手になる」と語る。
<天然キャラも走れば一変>
そんな彩花選手の素顔を、チームメートに聞いてみると「天然なところがあるが、人の変化に気づける繊細な子」「結構抜けているけど、面白くて常に笑わせてくれる存在」だという。
彩花選手趣味はアニメ鑑賞とイラストを描くこと。K-POPアイドル「TWICE」の大ファンで、推し活にも励むなどお茶目な一面ものぞかせるが、いざ走り出すとその雰囲気は一変する。
毎日の練習は常に「全力」。監督から設定されたタイムを上回ることを自分に課し、最後まで妥協しないのがモットーだ。
<自分に厳しく負けず嫌い>
2024年10月の全国高校駅伝の県予選では、エースが集う1区を走り区間賞を獲得したが「区間賞をとれたのはうれしかったが、個人的にはもう少し後ろのチームと差をつけてチームに貢献したかった」と話すように決して満足はしていない。
自分に厳しく、そして大の負けず嫌い。一方で「鈴木優花の妹」として注目を浴びることにプレッシャーを感じることもあったという。「姉がどんどん結果を出すと、私も焦る時がたまにあって、自分変えなくてはと思っていました」と彩花選手はいう。
<姉妹の絆>
趣味が同じで、普段はアニメや漫画の話で盛り上がるという仲良し姉妹。大事な大会の前には、遠く離れた姉からメッセージが届くそうだ。
彩花選手は「MGCでパリオリンピック出場決めた後に、“記録の伸び、案外突然に来たでしょ?力まずに行っておいで~”というメッセージをくれたので、トップ決めたのだから私も決めなくてはという思いで励みになった」と語る。
姉の背中を目標に走り抜ける福島路。「競技者としては一番に尊敬する存在で、姉としては誇りだし、すごく頼れる存在。姉がぬかりなく頑張っているので、私も負けていられない」と話した。
高校卒業後も陸上を続けるという鈴木選手。「全員駅伝!最後の東日本女子駅伝。全員で悔いなく走り切る」を目標に、最初で最後の東日本女子駅伝で全力を出し切る。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。