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 突然の引退発表に驚いた人も多かったのではないでしょうか。ソフトバンク・和田毅投手(43)が22年の現役生活に幕を下ろしました。

大越健介キャスター
「球威がまだまだ衰えなかったので、まだやれるんじゃないかと正直思いますが、やはり、その時は来たんだなということですよね」 ヒロド歩美キャスター
「そして『松坂世代』という一つの時代が終わりを迎えることになりました。この世代を引っ張ってきた松坂大輔さんのコメントとともに、和田投手の足跡を振り返っていきます」

■松坂さん「ここまで投げ続けてくれてありがとう」

和田毅投手 この記事の写真 和田投手
「私、和田毅は今シーズンをもって引退します。最近決めたわけでもなく、ずっと前から…。ある程度固まってきたのは、今年の7月過ぎくらいには自分の中では固まっていましたし。さかのぼれば2019年から肩の痛みと戦いながら、ダメになったらやめようという気持ちを持ちながら毎シーズン戦っていました。体がどんどんボロボロになってきてるなと、今シーズン最後の方は投げながら感じていましたね。これまでの野球人生の中で無駄なことはなかったなと。そこは誇りをもって言えるかなと思います」

 ケガと戦いながら、22年の現役生活にピリオドを打った和田投手。シーズン中に引退を表明しなかった理由については次のように話します。

シーズン中に引退を表明しなかった理由 和田投手
「みんなの力が集まって、みんなが同じ方向を向いて勝ち得ていくものだと思うので。それを自分も大事にしていましたし、チームあっての自分だって気持ちでずっと戦ってたので。和田さんのために日本一になろうとか、そういう空気だけには絶対にしたくなかった。引退試合をしなかったことが、ファンの方には裏切り行為になってしまうかもしれない。そこは自分の22年やったプライドといいますか、そこを考慮していただけたらなと」

 松坂さんを筆頭に、球界を代表する選手たちを数多く輩出してきた「松坂世代」。ともに切磋琢磨してきた盟友・松坂さんは次のように話しました。

松坂大輔さん 松坂さん
「投げているボールを見たら、僕はまだ投げられると思っていたので、辞める決断をしたことに対して最初は驚きました。もちろん辞めることはさみしい気持ちは当然ありますが、『引退おめでとう』という言葉を本人には伝えさせてもらいました。僕としては松坂世代最後の選手として、『ここまで投げ続けてくれてありがとう』という感謝の気持ちです」

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■国際試合でも「変わらないテンション」

■国際試合でも「変わらないテンション」

パ・リーグの新人王に選ばれた和田投手

 和田投手は2002年、早稲田大学からドラフト自由枠で福岡ダイエーホークスに入団。リリースポイントが見えにくいフォームから三振を量産。1年目から14勝を挙げ新人王を獲得します。

 2003年、阪神との日本シリーズでは、3勝3敗で迎えた第7戦の先発を任されると、大一番で完投勝利。日本一に導きました。

和田投手
「今考えたらルーキーで胴上げ投手というありえないことを王監督の時にさせてもらって。今考えても不思議なんですけども」

 松坂さんは和田投手のピッチングスタイルについてこのように評します。

和田投手のピッチングスタイルについて 松坂さん
「僕自身が理想とする速さを感じさせないフォームで、バッターに球の速さを体感させる。そういうピッチャーだったと思いましたね」

 オリンピックやWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、日本代表として松坂さんらと共に世界と戦いました。

松坂さん
「国際試合でも普段のホークスで投げている姿も、変わらないテンションで投げ続けられることが僕はすごいなと」

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■一つの時代の終わりでも…「何かやろうよ」

■一つの時代の終わりでも…「何かやろうよ」

 プロ8年目の2010年には自己最多の17勝で初の最多勝、パ・リーグMVPに輝きます。2012年からメジャーリーグに挑戦。ケガを乗り越えて5勝を挙げました。

 日本球界に復帰した2016年、15勝で自身2度目の最多勝を獲得。さらに、プロ20年目の2022年には、41歳でなんと149キロを投げ、自己最速を更新!たゆまぬ努力で進化を続けてきました。

和田投手
「年齢もひとつずつ上がっていきますし、それに抗おうというか、どれだけやれるかっていうのは、自分にとっても挑戦の部分でもある」 独自のトレーニング方法を伝える

 オフには和田投手を慕う後輩たちを受け入れ、“和田塾”として脳トレやピラティスなど、独自のトレーニング方法を伝えてきました。

 早稲田大学の後輩で和田塾門下生、侍ジャパンに選出された楽天・早川隆久投手(26)はこのように話します。

楽天 早川隆久投手 早川投手
「自分の中では目指す目標の選手だったので、心の中に穴が空いた。自分が今後はそういうものさしになれるような選手になっていきたいなと思います」

 最後の松坂世代として腕を振り続け、日米通算165勝を積み上げてきた和田投手。今後については次のように話しました。

今後については… 和田投手
「自分も本日で引退となりますし、同級生全員が引退になったので『何かやろうよ』という話はしました」 「スポーツ界を盛り上げていきたい」 松坂さん
「きのうも毅と話をさせてもらった時に“みんなが違った形で野球界を盛り上げていきたい”と話はしたので、野球選手としての松坂世代は終わるのかもしれないですけど、僕たちはまた違った形で野球界、スポーツ界を盛り上げていきたいと思います」

 松坂世代最後の現役選手、和田投手。野球界の一つの時代が終わります。

「振り返っても悔いのない」 和田投手
「ケガもあったり、アメリカに行ったり、失敗とかたくさんのことやりましたけど、振り返っても悔いのない、やり残したことのない野球人生だと自分では思っています」 ヒロドキャスター
「こうして振り返りますと、改めて和田投手は偉大な投手でしたね」 大越キャスター
「そうですね。会見を聞いていてシーズン中に引退を表明しなかった理由については、日本シリーズを控えて『和田のために日本一になろう』という空気にはしたくなかった。そこらへんが、和田投手の美学というとちょっと大げさかもしれないけれども、スマートなスタイル。そういうところにもひかれるものがありますよね」 ヒロドキャスター
「『しっかり勉強して戻ってきたい』という言葉もあったので、そこも今後を期待したいです」 大越キャスター
「これからの野球界のもう一つの柱になっていきそうな1人ですよね」 ヒロドキャスター
「22年間の現役生活、本当にお疲れさまでした」

(「報道ステーション」2024年11月5日放送分より)

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