高校野球秋季近畿大会決勝(4日、ほっともっとフィールド神戸)
〇東洋大姫路(兵庫1位)5―1智弁和歌山(和歌山1位)●
古豪復活を託された世代が大きな一歩を踏み出した。17年ぶりに激戦区の近畿を制した東洋大姫路の立役者となったのが、エースの阪下漣だ。最速147キロのプロ注目右腕はやや不運な形で今大会初失点を許したが、冷静さは失わなかった。
4点を先制した直後の四回。2死一塁から外野の前に落ちる「ポテンヒット」と内野安打が続いて1点を奪われた。「少し気持ちが揺れた」が次の打者を内角直球で詰まらせて三ゴロに仕留めた。最後まで打たせて取る投球がさえて103球を投げ抜き、被安打7、1失点で完投した。
身長180センチのがっちりとした体格だが、投球はパワフルさよりもうまさが光る。コースを突いた制球力が最大の魅力で、今大会の4試合計27回余りを投げて1失点。許した四死球はわずかに3と隙(すき)を与えなかった。
新チームは「勝負の年」と位置づける。履正社(大阪)を強豪校に育て上げた岡田龍生監督が2022年春に就任し、3年目を迎えた。東洋大姫路OBである岡田監督は、甲子園大会の勝利から10年以上も遠ざかる母校の復活を目指してきた。阪下らを下級生の時から起用して経験を積ませてきた。
阪下は「入学してから、ずっと古豪と言われてきたのですごい悔しい思いをしてきた。神宮大会でもっと目立ち、再び強豪と言われるようにしたい」と誓う。期待の世代で古豪復活を狙う。【長宗拓弥】
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