真希バオーのウマ女十番勝負

 けがで休養していた3冠牝馬リバティアイランドが復帰。GⅠ馬が6頭出走する豪華なメンバーとなりました。

 毎日新聞デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が、秋のGⅠ主要レース6戦を予想。第3戦は、秋の中距離王者を決める天皇賞・秋(東京2000メートル、27日午後3時40分発走)です。

 競馬担当30年の師匠、松沢一憲記者は「上位馬ですんなり決まらない」と警戒。真希バオーは、再浮上の兆しを見せる「あの馬」の力を信じます。

二度あることは……

 秋華賞と菊花賞は、クリストフ・ルメール騎手、武豊騎手、戸崎圭太騎手の3人で決着した。

 「『二度あることは三度ある』って言うからなあ。今週は、戸崎騎手は騎乗しないから、ルメール騎手のレーベンスティールと、武豊騎手のドウデュースで決まりか」と真希バオーがぼやくと、「ちょっと待った!」と師匠がやってきた。

 「そう簡単にいかないのが競馬だ。確かに、このレースは過去10年で1番人気が7勝と堅い。しかし、6~9番人気が2着3回、3着4回。そして10番人気以下も2頭馬券に絡んでいるんだ」と師匠。「1番人気が絡めば、高配当は望めない。とはいえ、伏兵馬が好配当を演出することは十分に考えられるぞ」と力を込める。

 「GⅠ馬が6頭も出走しますが、昨年のイクイノックスのような絶対王者は不在で、オッズは割れそうですよね」と真希バオー。

2023年の天皇賞・秋を制したイクイノックス=JRA提供

 「そうなんだよ。昨年の3冠牝馬リバティアイランドは7カ月の休み明け。ドウデュースは、昨年末の有馬記念(中山2500メートル)を勝った後は馬券に絡んでいない。実績上位でも、手放しで飛びつける馬がいないんだよ」と師匠は言う。

 「上位馬ですんなり決まらないと、ぼくは思うよ」と、師匠は不敵な笑みを浮かべた。

松沢記者の本命は……

 ◎リバティアイランド(12)、○マテンロウスカイ(2)、▲ドウデュース(7)、△ジャスティンパレス(11)、△ベラジオオペラ(1)、△レーベンスティール(14)

 「休み明けでも走ってきた実績があるから、リバティアイランドは素直に評価するよ」と師匠。しかし、対抗がマテンロウスカイとは、ずいぶん思い切った予想だ。

 「実績はほかの馬に見劣りするが、上昇度なら1番だぞ。3走前の中山記念(中山1800メートル)でソールオリエンス、ジオグリフのGⅠ馬2頭を破って重賞初制覇。初の海外遠征では逃げて失速したが、前走毎日王冠(東京1800メートル)は、直線、前が壁になり、脚を余して2馬身半差の8着だった。スムーズなら逆転できたな。芝2000メートルは、5戦して1勝、2着1回、3着2回と得意な距離。GⅠ馬相手でも、期待できるぞ」

真希バオーの大胆予想

 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)

 (1)ベラジオオペラ

 (6)ソールオリエンス

 (11)ジャスティンパレス

 (12)リバティアイランド

 (14)レーベンスティール

 「道悪だけじゃない」--。そう真希バオーが信じている馬がいる。昨年、重馬場の皐月賞(中山2000メートル)を勝ったソールオリエンスだ。

 その走りは、衝撃的だった。4コーナーで17番手からごぼう抜き。トレードマークの白い流星は泥で汚れ、タフなレースだったことを物語っていた。

 その後もダービー(東京2400メートル)2着、菊花賞(京都3000メートル)3着と世代トップの力を見せつけたが、有馬記念8着、大阪杯(阪神2000メートル)7着と、古馬を相手に厳しい結果が続いた。

 再浮上の兆しを見せたのが、前走の宝塚記念(京都2200メートル)だ。得意の道悪で、外から猛追して2着。“相棒”の横山武史騎手は、「元々、古馬になってから良くなると思っていた。これからが楽しみ」とコメントした。

東京競馬場=中嶋真希撮影

 道悪での鮮烈な印象から、「良馬場の東京では厳しい」と評価を下げる人も多いだろう。しかし、昨年のダービーは、良馬場でゴール前鋭く迫り、2着。しっかり結果を残しているのだ。

 東京は、新馬戦(1800メートル)でレーベンスティールを降している。追えば追うほど加速するソールオリエンスにとって、長い直線は合っているのだ。横山騎手も、「東京コースは合う」と太鼓判を押している。

 横山騎手は、ソールオリエンスとの皐月賞を最後に、GⅠを勝っていない。人馬ともに、再び存在感を示す絶好のチャンス。豪脚が、さく裂する。

真希バオーの勝負レース

 秋華賞→的中 馬連2200円

 菊花賞

 天皇賞・秋

 エリザベス女王杯

 ジャパンカップ

 有馬記念

なかじま・まき

 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。

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