プロ野球のSMBC日本シリーズ(7試合制)は26日に横浜スタジアムで幕を開ける。セ・リーグ3位から勝ち上がったDeNAと、パ・リーグ王者のソフトバンクが対戦する。DeNAは26年ぶり3度目、ソフトバンクは4年ぶり12度目の日本一を目指す。

監督会議後、ポーズを決めるDeNA・三浦監督㊧とソフトバンク・小久保監督=横浜スタジアムで(戸田泰雅撮影)

 25日は第1戦の予告先発が発表され、DeNAがジャクソン、ソフトバンクは最多勝の有原となった。両チームは初戦に向けて横浜スタジアムで最終調整した。  記者会見したDeNAの三浦監督は「CS(クライマックスシリーズ)を勝ち抜いた勢いを持ったまま臨みたい。ただ試合をするのではなく、勝ちたい」と意欲を語った。ソフトバンクの小久保監督は「パ・リーグを代表して舞台に立つ。その自覚を持って戦う」と静かに闘志を燃やした。    ◇

◆セ界最強打力、DeNAは牧の勝負強さに期待

 勢いそのままに、一気に頂点へ駆け上がる。史上初となるレギュラーシーズン3位から2度目の日本シリーズ進出を果たしたDeNA。三浦監督は「全員が束になって向かっていかないと勝てない相手。チーム一丸で臨んでいきたい」と団結を強調した。シリーズの行方を占う初戦を制し、流れをつかむ。  CSファイナルステージでは投手陣の踏ん張りで1点差ゲームを3度制し、リーグ王者の巨人を撃破した。だが、6試合で計10得点とリーグトップの得点力を誇る打線は振るわず、3番佐野、5番宮崎が打率1割台に落ち込むなど中軸の低調ぶりが目立った。

打撃練習するDeNA・牧=横浜スタジアムで(戸田泰雅撮影)

 打線の奮起が求められる中、火付け役になりそうなのが、主将で2番を打つ牧だ。ファイナルステージ最終戦では、九回に試合を決める勝ち越し適時打を放った。この日の打撃練習でも鋭い打球を連発し、好調ぶりをうかがわせた。「みんな良い表情で練習をしている。自分たちもセ・リーグを勝ち抜いたので自信を持ってやっていく」と力強い。  チームとしては2017年以来となる日本シリーズ。自身にとっても初の大舞台を前に「本当に未知数。いつもと違った雰囲気を味わいながら試合に臨んでいきたい」と意気込んだ。(酒井翔平)

◆パ最多勝エース・有原がソフトバンクを頂点に導く

 自身2度目の頂点には、エースとしてたどり着く。ソフトバンクの有原は大事な初戦を託された。「力を余らす必要はない。毎試合、思っているけど(初戦では)より強く、そういうイメージで初球から入りたい」と闘志を燃やした。  対峙(たいじ)するのはセ・リーグの打率、得点トップの強力DeNA打線。32歳の右腕は「長打があり、つながる。一人一人に注意が必要。屋外で風も吹く。しっかり確認したい」と冷静さものぞかせた。

キャッチボールで調整するソフトバンク・有原=横浜スタジアムで(浅井慶撮影)

 開幕投手として始まった今季は、相手のエース級と投げ合い、14勝で最多勝に輝いた。投球回182回⅔もリーグ最多と投手陣を引っ張った。小久保監督は「ファンが認める選手がエース。今のホークスでは有原。誰に聞いても(初戦の先発は)有原。全会一致だ」と自信を持って初戦のマウンドに送り出す。  日本ハム時代の2016年に日本一を経験。日本シリーズでは第3戦に先発した。8年ぶりの大舞台へ「大事なところを任せてもらえた。結果を出したい」と燃えている。DeNAは3位からの日本シリーズ進出と勢いがある。「チームの流れのためにも、1球目から自分のボールを投げる」。慎重に、だけど力強く。日本一へ向け、エースが弾みをつける。(渡辺陽太郎) 

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