ラグビー・リポビタンDチャレンジカップ 日本代表―ニュージーランド(NZ)代表 前日練習(25日・日産スタジアム)
約1年ぶりに袖を通す桜のジャージー。ラグビー日本代表に帰ってきた姫野和樹選手(30)=トヨタ=の表情には力がみなぎっていた。
「自分のラグビー人生が半分(まで)来て、今からまたスタートというところ。(7年前に)自分がファーストキャップを獲得した日産スタジアムに戻ってきてプレーするのは感慨深い気持ちもあるし、相手がオールブラックスですごく気合が入っている」
昨年秋のワールドカップ(W杯)は日本代表主将として臨んだが、2勝2敗で1次リーグで敗退した。その後トヨタに戻って過ごしたリーグワンの2023~24シーズンも7位にとどまった。今ひとつ殻を破れないもどかしさが募る中、オフには状態が良くなかった右肘の手術に踏み切り、心も体も一度リフレッシュして、再出発する道を選んだ。
ちょうど同じ時期、日本代表は第2次エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)体制が本格始動。姫野選手は今夏の代表活動は不参加だったが、チームはイングランド代表やイタリア代表などとテストマッチを重ね、旗印とする「超速ラグビー」のベースを築いた。
仲間たちの姿に姫野選手は「すごく複雑な気持ちで見ていた。その場に立てず悲しかったり悔しかったり、いろんな気持ちがあった」と率直な思いを明かす。
代表から離れた期間は桜のジャージーへの愛を強くした。秋のテストマッチに向けた日本代表メンバーが10月10日に発表され、そこに名を連ねてジャパンに復帰した。
「国を代表してプレーできることは本当に誇らしいし、ブレイブ・ブロッサムズ(日本代表の愛称)の歴史も大好き。その喜びを下の世代にも伝えていきたい。このチームが大好きです」
右肘の状態は万全で、武器としてきた運動量や密集でのボール争奪戦に対する自信や手応えも取り戻した。
26日午後2時50分開始のNZ代表戦に姫野選手はフランカーとして先発予定。過去の対戦は日本の7戦全敗、歴史を塗り替えるための大一番に「ファーストパンチで受けず、自分から積極的にプレーしていくことが重要」と強調する。
NZ代表の「ハカ」に対しても「前の方(の選手)はすごく迫力があるので、個人としては初キャップや久しぶりに出る選手を見ておくのがいい」と落ち着いて試合に入るための対策は予習済み。心身ともに充実した姫野選手が、ラグビー王国を驚かせる。【角田直哉】
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