24日に開かれたプロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議で、中日から5位指名を受けた北照高の左腕・高橋幸佑投手(3年)は、北海道小樽市内の同校で約100人の野球部員らに囲まれ、祝福を受けた。「今までやってきたことが報われた。初登板初勝利や2桁勝利が目標。20年間プレーを続けられる選手になれたら」とほほ笑んだ。
会議開始から約1時間半が経過した午後6時40分過ぎ。拳を握り、その時を待っていた高橋投手の名前が呼ばれると、野球部員が本人より先に歓声を上げて感情をあらわにし、高橋投手も安心したように笑みをこぼした。傍らで見守った家族の目には涙が光った。
札幌市生まれ、横浜市育ち。中学時代は軟式野球部でプレーした。2018年、19年夏の甲子園大会での観戦を機に北照高を進学先に選んだが、当時の直球は最速120キロ台。多くの選手が推薦入試で進学してくる中、一般入試で入学した。
入学当初から上林弘樹監督に「体を大きくしろ」と指導された。教えを守ってウエートトレーニングで下半身を中心に鍛え、しっかりと食事を取ると、体は大きくなった。2年秋には140キロに達し、投手二枚看板の一角として頭角を現した。
3年に進級した今年4月、U18(18歳以下)高校日本代表候補の強化合宿に北海道から唯一参加した。甲子園には出場できなかったが、この夏の南北海道大会準決勝では優勝した札幌日大相手に好投。現在の最速は149キロまで上がり、内角を突く度胸と制球力も持ち合わせている。上林監督は「ここからが勝負。プロで活躍してほしい」と目を細めた。
高橋投手は「家族と上林監督、チームメートに感謝している。中学3年の時に北照に決めて良かった。つらかったことも苦しかったこともあったが、乗り越えて、甲子園を目指した結果。中日は雰囲気もチームカラーも明るい印象。これから頑張りたい」と意気込んでいた。【谷口拓未】
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