楽天が1位指名で交渉権を獲得したことを受け、記者会見する明大の宗山塁内野手=24日、東京都千代田区で(平野皓士朗撮影)

 プロ野球のドラフト会議が24日、東京都内で開かれ、「20年に一人の逸材」と称される明大の遊撃手、宗山塁(むねやま・るい)選手は西武、楽天、日本ハム、ソフトバンク、広島の5球団が1位指名で競合の末、楽天が抽選で交渉権を引き当てた。   ◇   ◇  最多5球団の競り合いになっても、未訪の地・仙台を本拠とする楽天から指名を受けても、表情を崩さない。明大の宗山は想定を上回る競合を喜びつつ「スタートラインに立ったばかり。技も心も磨きたい」と冷静に受け止めた。

東京六大学秋季リーグ戦の開幕戦で、9回に決勝ソロを放った宗山塁内野手=9月21日、神宮球場で

 強豪の広島・広陵高から進んだ大学では、1年春からレギュラー。遊撃手一筋で「守備力を買ってもらった」という堅守が売りだ。加えて2年春で首位打者となり、この日時点で東京六大学リーグ歴代8位に並ぶ通算116安打の打撃も魅力。「総合力も強み」と自信をにじませる。  非凡さを買われ、今年2月には学生ながら日本代表の強化試合メンバーに選出。直後のオープン戦での死球で右肩甲骨を骨折して出場はならなかったが、トップ選手と練習する機会を得た。「大きな財産。侍ジャパンの中軸を任せられる選手になりたい」という壮大な夢を抱いた。

5球団が競合した明大の宗山塁内野手を引き当てた楽天の森井社長(左から2人目)24日、=東京都内のホテルで(戸田泰雅撮影)

 それにはまず、楽天での活躍が欠かせない。1年目はポジションより出場を優先し「開幕から出たい。目標は新人王」。そう言いながらも「遊撃手にこだわりがある。ゆくゆくは」と競争への覚悟も示した。  「ファンから愛され、息の長い選手に。そこから日本代表でプレーし続けられるようになりたい」。謙虚な口ぶりとは裏腹に、描く出世の道筋は明確だ。(対比地貴浩) 

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