10月24日に迫るプロ野球ドラフト会議。北海道の選手では、紋別高校の池田悠真投手が注目されている。投手歴1年未満にもかかわらず、150キロを記録した逸材だ。

 池田投手は北海道のオホーツク海に面した雄武町の出身だ。実家は漁師。本人も小さいころから手伝い、将来は漁師になろうと思っていた。

 「プロに挑戦できるのは一握りなので、プロに挑戦しようと思いました。家族は応援してくれました」(池田投手)

 ピッチャー歴は短い。高校2年の秋は外野手だったが、エースが肘をケガしたことで投手に。北海道の厳しい冬をウェイトトレーニングで投手練習を励んだ。

監督の本音「無理だろと思っていたが本人の努力で成長」

 2年秋で最速138キロだったストレートが夏の大会で150キロを記録。一気にプロ注目選手となった。この成長に紋別高校野球部の加賀谷実監督は驚きを隠せない。

 「プロの話を最初聞いたのが今年の春。進路面談で『漁師かいければプロに行きたい』と言った時には、心の中で“無理だろ!”って笑ってしまいました。ここまで成長したのは本人の努力と力。ビックリします」

規格外の身体能力…カニ漁の手伝いで鍛えた握力は75キロ

 さらに池田投手の魅力は、規格外の身体能力だ。実家のカニ漁の手伝いで作られた体は184センチ89キロ。利き手の右手の握力は75キロにもなる。握力を活かしたフォークボールも池田投手の武器だ。

 投手歴1年未満で最速150キロに規格外の身体能力。魅力たっぷりの池田投手を、まだまだ“伸びしろ”があると加賀谷監督は断言する。

 「力のまだ半分も出ていないと思う。もっと能力がある。ぜひプロで100%の力を発揮できる選手になってほしい」

憧れの選手は同郷の先輩で同じ“漁師の息子”「日本ハムの伊藤大海投手」

 「目標にしているのは同じ共通点のある伊藤大海選手です」(池田投手)

 池田投手の目標は日本ハムのエース伊藤大海投手だ。伊藤投手は北海道の鹿部町出身で漁師の息子だ。

 「ストレートの平均速度が速くて、変化球も自分は似た球種を持っています。伊藤選手と同じような選手、超えられる選手になりたいと思います」

 漁師つながりの偉大な先輩を超えられるのか。池田投手は10月24日のドラフト会議を心待ちにしている。


池田 悠真(いけだ・はるま)投手

2006年11月13日雄武町生まれ。184センチ、89キロ。右投右打。

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