【敦賀気比-日本航空石川】九回に同点の適時打を放ち喜ぶ敦賀気比の小林拓斗=石川県立野球場で2024年10月21日、下河辺果歩撮影

高校野球秋季北信越大会決勝(21日・石川県立野球場)

○敦賀気比(福井1位)6―5日本航空石川(石川3位)●

 土壇場での驚異的な粘りだった。1点を追う敦賀気比は九回に集中打を浴びせて一挙5得点。逆転で頂点をつかんだ。

 九回に先頭打者が四球で出塁すると、日本航空石川のマウンドは、2安打に抑えていた先発の長井孝誠から背番号1を背負うエースの蜂谷逞生(たくま)に代わった。敦賀気比にとっては、これが絶好機だった。

 犠打と四球で好機を広げ、打席に入ったのは4番の小林拓斗だ。「蜂谷君は研究できていたので狙いを速球に絞った」。2球目のカットボールをはじき返す同点打を放った。小林の一打から3連打と打線が勢いづき、九回にビッグイニングをつくった。

 粘りの裏には、夏場の特訓がある。七回までに28得点するまで終われない実戦形式の練習では、得点できなければ一回からやり直すこともあった。低い打球を徹底する意識がさらに強くなった。

 試合後は選手の目から涙があふれた。「集中力と自信がついた」と小林。過酷な練習を乗り越えた証しだった。【下河辺果歩】

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