高校野球の秋季近畿大会は20日、ほっともっとフィールド神戸で1回戦3試合があった。17年ぶりに県大会を制した東洋大姫路(兵庫1位)は9―0で龍谷大平安(京都2位)に七回コールド勝ちした。
市和歌山(和歌山3位)は、20年ぶり出場の三田学園(兵庫3位)との投手戦を1―0で制した。
15年ぶりに府大会で優勝した立命館宇治(京都1位)は34年ぶり出場の奈良(奈良2位)に4―1で勝利した。
21日は午前11時から天理(奈良1位)―和歌山東(和歌山2位)、午後1時半から大阪学院大高(大阪3位)―北稜(京都3位)がある。
秋季大会の結果は来春の選抜大会の出場校を選考する際の資料となる。近畿地区の一般選考枠は6。【長宗拓弥】
東洋大姫路・岡田龍生監督
<一回に打線がつながって5点を先制した>
初回は自分のチームじゃないような……。県大会で見たことないような攻撃だった。彼らは(大舞台に)慣れているわけでないから、基本通り、普段通り、きちんとやろうと伝えていた。
<攻守がかみ合った快勝>
予想していなかった。下級生から出場した選手が多くて経験値はある。ただ、リーダーシップを発揮できる子がいないし、まだ、頭を使って野球ができない部分もある。(2022年春に)就任してからずっと言い続けていたが、まだ期間が短いので(大坂・履正社の監督時代と違って)仕方ない部分もある。積み重ねていけば、もうちょっと緻密な野球もできるはず。
<近畿大会で勝利し、母校の校歌を歌った>
姫路の人ってすごい応援をしてくれるんです。選手の時はわからなかったが、帰ってきて地元の人がすごく応援してくれていることに気づいた。頑張らないといけないと思うし、良い形を作って、次の人にバトンをつなぎたいと思っている。
東洋大姫路・阪下漣投手
<先発して被安打4、7奪三振、無失点の好投だった>
序盤から真っすぐが高めに浮く場面もあったが、その分、カットボールが低めに集まって、うまく打者を打ち取れたと思う。
<近畿大会という大舞台で好投した>
いつも通りやれば戦えるという自信もあった。1年春から経験させてもらっているので、その経験を生かして大舞台に関係なく投げるだけだと思っていた。緊張はあまりしていなくて、丁寧に投げようと考えていた。
<岡田監督の下でプレーしてみて>
岡田先生が就任されるのがきっかけで、高いレベルでやってみたいと思って入学した。岡田先生の考える野球に少しずつ慣れて、近づいている結果が近畿大会1勝につながったと思う。
<どんな投手になりたい>
(現在の最速は147キロだが)150キロが出てもボール球になれば意味はない。145キロのビタビタのストレートの方が打ちにくいと思う。自分の中ではコントロールにこだわっている。本格派と技巧派の間のような投手を目指している。どの球種でもストライクが取れて、真っすぐでも押せる投手になりたい。
市和歌山・半田真一監督
相手投手が想像以上に良くて、点が取れるだろうかという展開だった。ストレートもキレが良くて、甘い球はなく、打てる球がなかなかなかった。自分たちのペースで攻撃できず苦しかったが、守備は投手の土井(源二郎投手)中心に粘り強く守ることができた。
土井はびっくりするような球はないが、自分から崩れることなく投げられる投手なので信頼している。きょうはベストピッチに近いと思う。
新チームは力はないが、練習から良い雰囲気でみんなでやろうという気持ちがある良いチーム。この秋はどうなるかわからないが、夏に向けて良いチームになりそうな感じはある。
立命館宇治・里井祥吾監督
(選手たちは)府予選の後半から自信をつけてくれたので、今まで通りきっちりとやってくれた。立ち上がりは球場も違うので不安だったが、守りから入ることができたのが良かった。
<先発した道勇壱心投手が1失点で完投した>
きょうのできなら1、2点で抑えてくると考えていた。相手打者に対し、うまく投げきってくれたと思う。
<新チームの状況は>
例年に比べると、野手は下級生の時から経験を積んでいる選手が多くて、投手も道勇ら3人の上級生がいて、バラエティー豊かな投手陣なので戦えるかなと思っていた。でも、バットが変わってから、つかみどころがなくて、試行錯誤してきたが、ようやく考え方などがチームに浸透してきたかなという気はしている。
奈良・吉村貴至監督
県予選決勝までは良い戦い方ができて手応えはあったが、決勝で天理に1イニングで8点を取られて、このままでは近畿大会は試合にならないと教えてもらった。この間、中間テストや修学旅行があったが、全て野球に生かそうと考えて準備してきた。
きょうはピンチはたくさんあったが、何とか我慢することはできた。34年ぶりの近畿大会だったが、今ある力は全部出すことはできた。2週間前なら、完敗だったと思うが、この間に選手たちは成長してくれた。
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