練習の思い出が残る福太郎スタジアムを訪れた、優勝メンバーの(左から)津田剛さん、今井洋さん、宮村剛司さん、岩崎剛士さん=千葉県鎌ケ谷市初富で2024年8月31日、柴田智弘撮影

先生の声掛け力に、無我夢中で疾走

 今年は19日に開催される「東葛飾地方中学校駅伝競走大会(東葛駅伝)」の歴代優勝校のうち鎌ケ谷市立第五中は、同市で唯一の優勝経験校。第48回大会(1994年)で頂点に立った時の優勝メンバー、1区・今井洋さん(45)▽2区・津田剛さん(45)▽3区・岩崎剛士さん(43)▽4区・宮村剛司さん(44)に、思い出を振り返ってもらった。

 ――30年前の大会で優勝できた秘訣(ひけつ)は何でしたか。

 今井 監督の小林修一先生のおかげ。

 宮村 先生に競技との向き合い方を教わった。選手の気持ちを高めるのもうまかった。

 津田 先生が練習メニューなどを共有してくれたので、先が見えて質が上がった。

 岩崎 進学した市立船橋高より、五中のほうが(練習が)きつかったが、密度も濃かった。

鎌ケ谷第五中の優勝メンバーで撮った懐かしい記念写真=1994年(メンバー提供)

 ――それぞれどんな走りをしたか、覚えていますか。

 今井 スタート時点は抽選で一番後ろの列から。先生から「(1区が)10位以内なら勝てる」と言われていた。余裕がなくて、たすきを渡した記憶もないが、6位だったので「しっかり仕事したな」と感じた。

 津田 先生から「3位以内でたすきを渡せ」と言われていたが、前半にペースを守りすぎ、中継所手前で慌ててラストスパートして1人抜いた。

 岩崎 当時、自転車伴走していた先生に何度も「ペースを上げるな」と注意されたが、調子が良かったので「行けます」と前に出た。競技人生の中で一番の走り。2人抜いて3位になった。

 宮村 ラスト500メートル、先生の「今だ」の声で無我夢中で2人抜いて1位に。キャプテンとして面目躍如だった。

 ――東葛駅伝はどういう大会?

 津田 他の駅伝は6人だが、東葛駅伝は10人。中学生が一般道を歓声浴びて走るのは他で経験できない。

 宮村 箱根駅伝の中学生版といってもいい。翌年チームを引っ張る後輩にたすきをつなぐ大会。

 岩崎 独特の雰囲気がある。高校でも「東葛駅伝で優勝」は他の部活の生徒にまで認識されていた。

 今井 メンバーのうち、1人、2人強いだけでは勝てないチーム力の勝負。大会をこれからもぜひ続けてほしい。【柴田智弘】

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