全日本学生剣道優勝大会決勝の次鋒戦で攻める国士舘大の児玉(右)=Asueアリーナ大阪で2024年10月14日、村田貴司撮影

第72回全日本学生剣道優勝大会決勝(14日、Asueアリーナ大阪)

○国士舘大2―1鹿屋体育大●

 実に12年ぶりとなる頂点に導いたのは、2年生だった。国士舘大の先鋒(せんぽう)・久保冬晟(2年)が幸先良く1本勝ちで先手を取った後の次鋒戦。同じく2年生の児玉一輝のメンが流れを引き寄せた。

 「得意のメンで勝負しよう」。5分の試合時間で2分が過ぎた頃だった。お互いがほぼ同時ともいえるタイミングでメンを狙って飛び込んだが、3人の審判全員は迷わず児玉の白旗を上げた。わずかにとらえたのが児玉の竹刀だった。後半にももう1本メンをたたき込んで快勝した。

全日本学生剣道優勝大会決勝の大将戦で、鹿屋体育大の大平を攻める国士舘大の中田(左)=Asueアリーナ大阪で2024年10月14日、村田貴司撮影

 その後は引き分け4人、敗れたのが1人だったため、出だしの2連勝の大きさが分かる。まさにチームを勝利に導く「連勝」だった。

 国士舘大といえば、過去14回の優勝を誇る学生剣道の名門。だが、近年は法政大や中央大、筑波大に王座を奪われていた。それでも児玉は剣道を始めた小学生の頃から国士舘大が憧れだったという。「正しく中心を取って打ち切る。シンプルでもそこが一番強い。(進路は国士舘大)一択でした」

 憧れのチームで値千金の活躍を見せ、「連覇できるようにしっかり切り替えていきたい」と児玉。2年生ながらチームを引っ張っていく覚悟をにじませた。【吉川雄飛】

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