フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズは18日、第1戦スケートアメリカ(テキサス州アレン)で幕を開ける。シリーズ上位6人・組が12月のGPファイナル(フランス・グルノーブル)へ進む。
第1戦で男子は世界王者のイリア・マリニン選手(米国)が登場。今季初戦となった9月のロンバルディア杯(イタリア)は、フリーで武器のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を抜いた4回転ジャンプ4本の構成で200点を超える演技を見せ、合計312・55点で優勝した。軽々と跳ぶ4回転は高い出来栄え評価(GOE)を引き出しており、優勝候補の筆頭だ。
日本勢は昨季世界選手権代表の三浦佳生選手(オリエンタルバイオ・明大)がどこまで食い下がれるか。ロンバルディア杯では古傷の左脚に痛みが出た影響で4位と満足いくパフォーマンスができなかったが、東京選手権を経て不安はなくなった。今年7月には国内大会ながらフリーで201・55点をマークしており、首位争いも期待される。スケートアメリカ2大会連続出場の吉岡希選手(法大)、2022年全日本選手権2位の島田高志郎選手(木下グループ)も出場する。
女子は混戦模様。9月のネーベルホルン杯で213・33点で優勝したエリス・リングレイシー選手(米国)や昨季世界選手権2位のイザボー・レビト選手(米国)、昨季GPファイナル4位のニナ・ピンツァロネ選手(ベルギー)ら実力が拮抗(きっこう)している。日本勢は24年4大陸選手権3位の渡辺倫果選手(三和建装・法大)、22年北京冬季オリンピック4位の樋口新葉選手(ノエビア)、青木祐奈選手(MFアカデミー)の3選手がエントリー。いずれも地力があり、激しい表彰台争いが見込まれる。
ペアは「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組(木下グループ)が出場する。22~23年シーズンは主要国際大会3冠となる「年間グランドスラム」を果たしたが、昨季は木原選手の腰の故障の影響でGPシリーズを欠場。復帰したシーズン後半は4大陸選手権、世界選手権ともに銀メダルを獲得しており、完全復活を期す。
今季初戦となったロンバルディア杯はリフトで転倒するミスが出て199・55点の2位に終わった。とはいえ、今大会の出場組の中では最上位の点数となっており、優勝する力は十分にある。
アイスダンスは世界選手権2連覇中のマディソン・チョック選手、エバン・ベーツ選手組(米国)が登場する。日本勢はエントリーしていない。【倉沢仁志】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。