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 大谷翔平選手の勢いが止まりません。なぜヒットを量産するようになったのでしょうか?元メジャーリーガーの西岡剛さんにお話を聞きます。

■“常に難しい”シーズン迎えるも…「メンタル的に楽になった」

Q.大谷選手は日本時間8日の試合でもヒットを放ちました。しかも長打です。スリーベースとツーベースの2本を放っています。こう見ていくと、日本時間4日のホームランが出たところから流れが変わったような気もしますが、この1本というのは大きかったのでしょうか?

元メジャーリーガー・西岡剛さん この記事の写真 西岡さん
そうですね、開幕してからちょっと状態を落として、何打席かヒットも結果も出ずに「ああ大丈夫かな?」と思っていたんですけど、この1本で流れが変わってメンタル的にも楽になったと思います。

Q.やはり1本が出ることによって、気持ちが軽くなるようなことはありますか?

西岡さん
もちろんです。今までは二刀流で、バッターがダメでもピッチャーで押さえて切り替えていたんですけど、今年はバッター専念なので、そこの切り替えが非常に難しいシーズンになると思っているんですが、それがシーズン開幕してからいきなりぶち当たってしまったということだと思います。

Q.技術的な変化、復調の兆しがあったのでしょうか?

「ヒットを打つことが一番のきっかけ」 西岡さん
どちらかというと、タイミングが遅れていたんです。タイミングが遅れるときは打者からすると「何でタイミングが合わないんだろう」という疑問点ばかりで、それを捉えるのも結果しかないんですよ。詰まりながらでも良いし、もうバットが折れてもいいので、「H」ランプが灯る(=ヒットを打つ)ことが一番のきっかけです。

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■西岡さんが実演!カギの“2本目のホームラン”

■西岡さんが実演!カギの“2本目のホームラン”

Q.「タイミングが合ってきた」とおっしゃいましたけれども、具体的にそれを感じた打席はありますか?

西岡さん
4日のホームランと6日の2本目のホームラン、これが一番ですね。特に2本目のホームランです。

Q.2本目のホームランのタイミングはどういったものなのか、見せていただいてもよろしいでしょうか?

泳がされて… 西岡さん
タイミングが合わない時、2本目のホームランは泳がされて片手1本で打ったんですね。 タイミングも重要 皆さん、パワーにすごくフォーカスするんですけれども、タイミングが崩れていたら、タイミング合っていなかったら、バットに当たらない、バットが届かない。空を切ってしまう。 “壁”ができたことにより…技術も でもタイミングが合っているんで、泳がされてもストップできるんですね。壁ができる。 2本目のホームランは“技術” 壁ができるので、タイミングがずれても片手1本で拾ってホームランまで持っていける。パワーだけじゃない、技術ですね。この2本目のホームランは。

Q.その打席を改めて振り返ってみましょう。

西岡さん
(タイミングを)ずらされているんです。ずらされているんですけど、体が前に行ってない。ためられている。右足の壁ができて右肩も前に行かない。

Q.確かにすごくきれいなフォームというわけでは…

西岡さん
(きれいなフォーム)ではないんです。けれども、これがタイミングがもし合ってなくて「遅れた」とか「早過ぎる」とかだったら、もっと体重が前に流されたり、もうバットに届かないんですよね。だから大谷選手は今から状態が上がっていきます。

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■西岡さん「大谷選手の立ち位置はレベルアップ」

■西岡さん「大谷選手の立ち位置はレベルアップ」

Q.確かに、バットに当たるタイミングもばっちりでしたよね。この大谷選手の好調は維持できそうですか?

西岡さん
あのね、皆さん、大谷選手が打たない日に「不調なのか」と言いすぎです(笑)。期待しすぎ。ノーヒットが続いてまだ(打率)3割2分ですから。十分すぎるんです。大谷選手のすごさを皆さんハードル上げすぎです。けれどもそれだけ期待できる選手なんですよね。

Q.そして、その大谷選手のプレー以外にも注目が集まっています。それが大谷選手が真ん中にいて隣がグラスノー投手という写真です。グラスノー投手が大きいから、大谷選手が何か小さく見えます。

西岡さん
グラスノー投手も2メートル10センチぐらいあるので、大谷選手まだ2メートルないんですけど。外国人の選手たちは皆こういう感じです。

Q.エンゼルス時代はあまりこういった食事会などの写真は見なかったような気もしますが、変化がありましたか?

西岡さん
大谷選手自身がエンゼルス時代に積み重ねてきた結果、ドジャースでは主力選手なんです。ただ、大谷選手もドジャースを優勝させるために来ているので、もう本当にキャプテンの地位になってもおかしくないぐらいの立場です。だから、こういう食事会にしっかり参加して、大谷選手の発言はチームにも浸透する立ち位置でもあるので、それだけ、大谷選手の立ち位置というのがレベルアップしているということだと思いますね。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年4月8日放送)

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