○ガンバ大阪2―1北海道コンサドーレ札幌●(5日・パナソニックスタジアム吹田)
パナソニックスタジアム吹田に詰めかけたガ大阪サポーターは「奇跡」を目撃した。ガ大阪が、0―1で迎えた後半追加タイムに2得点を挙げ、逆転勝ち。エースFW宇佐美貴史の右足がドラマを作り出した。
降格圏に沈む札幌相手に苦戦を強いられた。前半8分にはガ大阪ユース出身のFW白井陽斗に先制点を許した。その後も得点機を生かせず、時間だけが経過していった。
後半追加タイムに突入した直後、わずかに光が差し込む。ペナルティーエリア内で、札幌の選手がハンドを犯し、PKを獲得。蹴るのは、宇佐美だ。「とにかく思い切り蹴ってやれと」。シュートは相手のGKの手をはじき、左下に決まった。
残された時間はわずか。それでも宇佐美は猛然とダッシュし、試合を再開させた。「レフェリーからあと(追加タイムが)2分と聞いた。絶対ワンチャンスあると」。そして後半53分。パスを受けた宇佐美がゴール前に抜け出す。ここからの動きで違いを生み出した。滑り込んで止めに来た相手を冷静にかわした。右足で沈め、逆転劇のフィナーレを迎えた。
試合前まで9試合勝利なし。さらに2日のセ大阪との「大阪ダービー」に完敗するなど屈辱を味わった。中2日で迎えたこの一戦で、後半20分から出場した宇佐美は「舞台は整った。自分が出てチームを勝たせてやると思って試合に出た」と有言実行。試合後、ピッチに顔をうずめ、号泣した。
10試合ぶりの勝利とはいえ、優勝まではまだ遠いが「流れは引き戻せる。上に目標を持ってやっていきたい」と宇佐美。先頭を行く主将がその気なら「奇跡」も信じられる。【生野貴紀】
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