明治から大正期に活躍し「角聖」と呼ばれた水戸市出身の横綱・常陸山の生誕150周年を記念した市など主催のイベントが25日、市立城東小学校(伴早苗校長)で開かれた。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)らが常陸山の強さや功績などを語るトークセッションが行われ、約300人の市民らが耳を傾けた。
常陸山は1874年に現在の同市城東1に生まれた。水戸中学(現水戸一高)に入学したが、父の事業の失敗などを機に叔父を頼り上京。4代目出羽海部屋に入門し、1903年に第19代横綱に昇進した。通算成績は150勝15敗22分け。07年には米ホワイトハウスでセオドア・ルーズベルト大統領に土俵入りを披露し、引退後は日本相撲協会の取締役も務めた。
この日は二所ノ関部屋所属の大の里の大関昇進が決まり、二所ノ関親方は昇進伝達式を終えて会場に駆けつけた。トークセッションの冒頭、親方が「このタイミングで常陸山関のイベントに参加できるのはうれしく、何か縁があると感じる」と話し、会場から大きな拍手がわき起こった。
県近現代史研究会の市村真一名誉会長は、常陸山の時代に1場所は実質9日で年2場所しかなかったことなどを紹介。二所ノ関親方は「今は年間90日あるので(当時は)一番一番の重みが違う。その中で9割の勝率はすごい」とたたえた。親方は常陸山が得意とした技で、相手の腕を両手で挟み込む「泉川(いずみがわ)」について実演を交えながら解説した。
同小の5、6年生は3班に分かれ、常陸山や相撲、地区の歴史を調べた成果を発表。常陸山について発表した6年生の盛山湊大(そうた)さん(11)は「今まで相撲はあまり興味がなかったけれど、調べてみて150勝15敗22分けはすごいと思った」と話した。【鈴木敬子】
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