今年で引退を表明したファイターズの鍵谷陽平投手(33)が、9月25日の楽天戦に先発する前に引退会見を行いました。北海道七飯町出身の鍵谷投手は、ファイターズやジャイアンツで活躍し、これまでに419試合に登板した右腕です。12年間の現役生活を振り返りながら、心境を語りました。

■12年間の現役生活を振り返って

――12年間、お疲れ様です。今日という日をどのような気持ちで迎えられましたか?
「そうですね。不安とドキドキが大きかったかなと思います。」

――7月に支配下登録されましたが、引退を決断したタイミングはいつですか?
「こういう仕事なので毎年毎年が勝負だと思って臨んでいます。そういうのは常に覚悟をして臨んではいるんですけど、去年ジャイアンツで戦力外となり、今年1年ファイターズで契約して頂いてプレーする中で常に考えていました。もちろん一軍の戦力になりたいという思いで毎日臨んではいたんですが、その気持ちと一緒に毎日考えていたという感じです。」

――12年間の現役生活を振り返って、どのような期間でしたか?
「夢のような時間でした。七飯町から出てきて、地元の球団でこれだけ試合に投げられるとは思っていませんでした。本当にたくさんの方に支えられ、感謝の気持ちでいっぱいです。」

――一番の思い出は何ですか?
「一番は2016年の日本一ですね。スポーツをやっている中で、常に勝ちを目指し、優勝を目指して頑張ってきたので、日本一になれたことが一番の喜びです。」


■支えてくれた家族

――引退を家族に伝えたときの反応は?
「家族は覚悟していましたね。こういう世界だから、いつどうなるかわからないと伝えていました。覚悟をして一日一日を過ごそうと話をしていたので、『お疲れ様』という感じです。」

――お子さんの反応は?
「娘はまだ小さいので、わかっているかどうかは微妙ですが、認識している段階だったので、それがわかるまで現役を続けられて良かったです。もう少し大きかったら、もっとしっかり記憶に残っているのかなと思いますが、皆さんに映像を残していただていて、いずれ見せたいと思います。」


■仲間たちとの絆

――チームメイトの反応はどうでしたか?
「全員に伝えられたわけではないですが、『お疲れ様』と言ってもらえました。」

――宮西尚生投手(39)からの言葉は?
「宮さんは『そうか。お疲れさん。頑張ったな。みんな俺より先に辞めていくな(笑)』と言ってくれました。」

――同期入団の大谷翔平選手(30)には報告しましたか?
「していないです(笑)。翔平は頑張っているので、余計なことは言わないようにしています。」

――大谷選手からの連絡はありましたか?
「知らないんじゃないですか(笑)。」

――同級生の中島卓也選手や、高校時代から共に頑張ってきた伏見寅威選手からは?
(注:鍵谷選手は北海道の北海高、伏見選手は東海大四高(当時)で活躍)
「卓には直接『お疲れ様』と言われました。寅威とは『一度バッテリーを組みたかったな』と話しました。」

――KAKILAND代表の新垣と申しますが、同期との思い出は何かありますか?
(注:鍵谷選手と同期入団の新垣勇人さんが会見に参加)
「入寮当初、住所変更の手続きに鎌ヶ谷市役所に行く際、『新垣についていけば大丈夫』と言われてついていったんですが、一番信用できない人でした(笑)。」


■最後の登板への決意

――ご自身に言葉をかけるとしたら?
「『お疲れ様。楽しかったね』という言葉ですかね。」

――やりきったと感じていますか?
「やりきりました。お腹いっぱいです。」

――ファイターズはどんなチームでしたか?
「ファイターズにドラフトで指名してもらい、プロ野球人生が始まりました。本当に感謝しています。ジャイアンツにもお世話になりましたが、本当に僕を作ってくれた球団なので心から感謝しています。」

――今後の予定は?
「今後は…考えます(笑)。」

――今日の最後の先発、どんなピッチングを見せたいですか?
「チームが大事な時期に申し訳ない気持ちもありますが、機会を頂いたからにはしっかり全うしたいと思います。引退は発表しましたけど、まだ現役なので、プライドを持ってマウンドに立ちたい。いい投球をして次の投手につなげたい。」

――応援してくれたファンに向けて一言お願いします。
「暖かく応援してくださったおかげで、12年間プロ野球選手としてプレーできました。感謝の気持ちでいっぱいです。最後の日も感謝の気持ちをもってプレーします。」


――きょう勝てばCS進出が決まる。この日に先発を託されたときの気持ちは?
「正直な感想を言うと戸惑いの方が大きかったです。でも、僕のプロ野球生活12年間、いけといわれたところでいくのが仕事でしたので先発の機会を作っていただいたことに感謝して、いけと言われたからには、仕事を全うしたい気持ちです。」

――どんな投球を見せたいですか?
「12年間で培った気持ちと技術を全て使って、抑えたいと思います。」

――ご両親への報告は?
「娘に動画を撮ってもらって伝えました。照れくさかったので(笑)。」

――ご両親は今日の試合に来ていますか?
「来ています。何も言わずあたたかく応援してくれたので、感謝の気持ちでいっぱいです。」

 419試合に登板した鍵谷陽平投手。最後は同じ道産子の同級生、伏見寅威選手とファイターズスタッフの大累進さん(元巨人・ファイターズ)から花束を受け取り、会見を締めくくりました。

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