【ソフトバンク-楽天】二回裏ソフトバンク1死一塁、右越え2点本塁打を放ち笑顔で塁を回る川村友斗=みずほペイペイドームで2024年9月22日、平川義之撮影

○ソフトバンク11―5楽天●(22日・みずほペイペイドーム)

 開幕から力を発揮していた強力打線は、顔ぶれが変わっても健在だった。ソフトバンクは17安打11得点の大勝で、優勝へのマジックナンバーを「1」にまで減らし、リーグ優勝に王手をかけた。

 今年の強みを示す試合でもあった。ここ6試合は全て4得点以下と元気のなかった打線。それを勢いづけたのは、9番に入った川村友斗だった。

【ソフトバンク-楽天】二回裏ソフトバンク1死一塁、川村友斗が右越え2点本塁打を放つ=みずほペイペイドームで2024年9月22日、平川義之撮影

 一回に1点を先取し、二回も甲斐拓也の適時打で2点を加え、なおも1死一塁の場面。川村は内寄りの直球を右翼席へ運んだ。ベテランの活躍もあり、「気楽に(打席に入れ)思い切り行った」。入団3年目でのうれしいプロ初アーチとなった。

 川村は仙台大から2022年に育成ドラフト2位で入団した。今季はキャンプでの活躍が認められ、3月に支配下登録された。早々に1軍初出場も果たし、「常にドキドキしています」と口にする日々の中、プロ初安打初打点もマークした。だが、後半戦は一時2軍落ちもした。

 「1軍に残るために自分の打撃を改良しすぎた」と悩んでいたところ、3歳上の栗原陵矢から打撃時の体の使い方についてアドバイスをもらった。それで打球の飛距離が伸びたことが、この日の一打につながった。

【ソフトバンク-楽天】ヒーローインタビューを受けるプロ初本塁打を放った川村友斗(手前)と、プロ初勝利を挙げた岩井俊介=みずほペイペイドームで2024年9月22日、平川義之撮影

 強力打線とはいえ、今季は5月末に柳田悠岐がけがで離脱し、その穴を埋めたのは栗原だった。今月も近藤健介が右足首のけがで離脱した。しかし、若手の川村の一発で波に乗ると、7試合ぶりの2桁得点をマークした。

 故障者が出ても、若手らが補い、ソフトバンクは今季、白星を重ねてきた。その厚い選手層を見せつける戦いぶりで、栄冠に大きく近付いた。【林大樹】

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