W杯アジア最終予選の中国代表戦後、スタンドのサポーターに手を振る日本代表の細谷真大=埼玉スタジアムで2024年9月5日、藤井達也撮影

 サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(23)は、日本代表活動から所属チームに戻ると休む間もなく戦いのピッチに立った。14日、降格圏に沈むジュビロ磐田との本拠地での一戦は0―2で完敗。試合後の表情は自然と厳しくなった。

 細谷選手の名前がスタジアムにコールされたのは後半15分だった。この時点で磐田に2点を先行される苦しい展開。柏はマテウスサビオ選手を起点とした左サイドからの攻撃やセットプレーで再三の好機を作りながら、得点できずにいた。

 「やらなくちゃいけない。何としても流れを変えたかったですし、落としちゃいけないゲームだったので」

 直前までワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦う日本代表の一員として活動。敵地バーレーンから日本に帰国したのは11日深夜とタイトなスケジュールだったが、細谷選手は「しっかり準備できていた」という。

 W杯最終予選では初戦のホームの中国戦(5日)、第2戦のアウェーのバーレーン戦(10日)ともに出場機会がなかった。さらなる高みを目指すために、細谷選手は目の前の一戦に集中する大切さを強調する。

 「あっち(代表)でもやれることはやってきましたし、自分の良さも出せた。解散の時に言われましたけど、こっち(柏)で結果を出してチームを勝たせることが、一番のもう一度はい上がるチャンスだと思っているので」

 細谷選手の覚悟は、磐田戦では結果に反映できなかった。ただ快足を生かしてゴールに迫る場面もあり、会場で視察した日本代表の森保一監督は「(チームの)ギアを上げ、勢いが出た。好影響をもたらしている」と評価した。その上で「全てでレベルアップしてほしい。Jリーグで言えば得点を取る、明らかな数字をもっと上げるところは意識してもらいたい」と語った。

 今季はJ1リーグ戦で24試合に出場し4得点。細谷選手も物足りなさは十分に自覚している。

 「クロスの精度、ゴール前での精度っていうところは全然足りなかった。シュートもあまり行けていないので。そうですね……もっとクオリティーを上げる必要があるのかなと思います」

 チームはJ2降格圏18位の磐田と勝ち点2差の16位。勝利に直結するプレーはチームも自分自身も救うことになる。次節は21日。アウェーでの強豪・鹿島アントラーズ戦に向けて気合を再び入れ直す。

 「本当に全員がリーダーだと思ってやらないといけないと思っている。自分たちは力はある。しっかり信じてやっていくしかない」【構成・角田直哉】

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