迫力あるモータースポーツの魅力を被災地の子供たちに体験してもらおうと、現役ラリー・ドライバーの勝田範彦選手(55)が13日、石川県志賀町立富来中を訪れ、ラリーカーの助手席に子供たちを乗せてデモ走行を行った。
勝田選手は全日本ラリー選手権で計9回、年間チャンピオンに輝くなど長く活躍。長男の貴元選手(31)は、世界ラリー選手権(WRC)に日本勢として唯一参戦している。
勝田選手は、富来中・富来小の子供たち約140人を前に「夢への挑戦」と題して講演した。講演前に、ラリーは最高時速200キロのマシンを操り、林道や雪道などの公道でタイムを競うことや、助手席にカーブの状況などを読み上げるコ・ドライバーを乗せることが紹介された。
勝田選手は、マシンを大破させるなどの挫折を何度味わっても、日本一になるという夢を公言し続けてきたからこそ仲間に助けられ、今があると話し、「皆も自分の夢は恥ずかしがらずに周りに言いまくろう」と呼び掛け、挑戦することの大切さを訴えた。
同校のグラウンドでは勝田選手によるデモ走行が行われ、砂煙を上げて派手なドリフト走行をするラリーカーに子供たちが歓声を上げた。能登半島地震発生後の数日間、避難所暮らしをしたという富来小6年、安井幸樹さんは同乗体験をし、「予想以上の迫力でとても楽しかった。地震で悲しい思いをしたことも吹っ飛んだ」と喜んでいた。
WRCのラリージャパン2024実行委は、被災地応援企画として11月21~24日に愛知・岐阜両県で開催される大会に石川県在住者を招待する。詳細は大会ホームページへ。【伝田賢史】
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