ヴィッセル神戸○2―1●セレッソ大阪(13日・ノエビアスタジアム神戸)
この一戦を必ずものにする。その強い意志を感じる神戸の攻めだった。セ大阪相手に、試合開始直後から襲いかかった。
キックオフの笛が鳴った後の最初のプレーで、ロングボールをきっかけに攻め込んだ。FW武藤嘉紀がきわどいシュートを放ちCKを獲得。そのCKで、DF山川哲史が頭で合わせたシュートは相手GKに阻まれるも、ゴール前にいたDFトゥーレルが押し込んだ。
電光石火の先制劇。しかし、攻め手は緩まない。10分過ぎには、ゴール中央のFW大迫勇也からのパスを、DF広瀬陸斗がペナルティーエリアの外から右足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。
試合前の時点で首位・広島との勝ち点差は3。連覇に向けてエンジンをかけたい場面で悲報がチームを襲った。今月3日、主将のMF山口蛍が練習中に左膝を負傷し、手術を受けたと発表された。全治は10~12週間という。
大黒柱を失う逆境に、チームは結束した。同じMFの扇原貴宏は「(山口が)シーズン終盤に帰ってくると思っている。その時にしっかり自分たちが優勝争いをしている状況で蛍くんを待つのがベスト。それが蛍くんのモチベーションにもつながる」。主将への思いを募らせ、一体感を強めた。
17日からはアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)が始まり、過密日程を強いられる。それでも扇原は「全員で乗り越えないといけない。乗り越えてこそ優勝が見えてくる」。歓喜の瞬間を信じて突き進む。【生野貴紀】
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