押し合う琴桜(左)と王鵬=両国国技館で2024年9月12日、新宮巳美撮影

大相撲秋場所5日目(12日、東京・両国国技館)

○王鵬(寄り切り)琴桜●

 ともに横綱の祖父を持つ2人の対決は、24歳の王鵬が5度目の挑戦にして初めて琴桜を破った。「やっと勝てたという気持ちですね」としみじみと語った。しかも結びの一番に「気持ちいいですね。いい相撲を取ろうと思ってやってますね」と表情を緩めた。

 差し手争いから琴桜に押し込まれると、王鵬は俵を伝って回り込んだが相手得意の右四つになった。「止まってはいけないと思った」。琴桜に分があったが体力負けしない王鵬は粘って残すと右下手を取り、左も差し込んで寄る。根負けしたように土俵を割らせた。高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「王鵬の粘り勝ち。力がついている」と評価した。

 王鵬の祖父は昭和の大横綱・大鵬。横綱だった祖父のしこ名を継いだ琴桜は王鵬にとって埼玉栄高の2学年上の先輩でもある。「高校の先輩と結びを取れることは誇らしいこと」。初日から連勝を続けていた大関に、本場所で恩を返した。

 先場所は西前頭6枚目で9勝を挙げ、今場所は自己最高位の西前頭2枚目まで番付を上げた。2日目の貴景勝戦に続く2勝目を挙げた。三役も見えてくる地位に「勝っていれば、そのうち上がる」と話す。【武藤佳正】

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