大学野球の福岡六大学野球の秋季リーグが7日、開幕した。プロ注目の遊撃手となる九州産業大の浦田俊輔選手(22)は「自己最高の成績を目指していく」と意気込んでいる。
長崎・海星高では2年夏の甲子園に出場したが、3年夏は新型コロナウイルスのため地方大会も含めて中止となった。「また甲子園に行きたいと思っていたので悔しかったが、すぐに大学野球に進むと決めた」。バットを金属から木製に変えて練習を続けた。
持ち味は、最速50メートル走5秒8を誇る足を生かした走塁技術と守備範囲の広さだ。一方で、大学入学後に重点的に取り組んだのが筋力トレーニングだった。多い時は週に5日間取り組むが「1年生の頃はずっと打てなくて悩んでいた」。転機となったのが2年秋に出場した九州大学野球選手権で、この年にプロ野球・中日にドラフト1位で指名された沖縄大の仲地礼亜投手と対戦したこと。最速150キロ超の投手から2安打を放ったことで打撃にも自信をつけた。
投手と対峙(たいじ)する前には、一度大きくジャンプしてから左打席に入る。「体のキレを出すためで、今日の調子も分かるから」。自らのラッキーカラーである黄色のリストバンドを身につけ、ディズニーをこよなく愛す。一番好きなキャラクターは「くまのプーさん」と笑う。一方で、同学年の選手には負けたくない負けず嫌いの性格ものぞかせる。
九産大の大久保哲也監督(62)は「速い球にも振りまけないスイングができるようになっている。1番打者として打線を引っ張って、5季連続のベストナインを狙ってほしい」と期待する。
今年の全日本大学選手権では大会前に左ふくらはぎを痛めた影響で欠場した試合もあり、侍ジャパン大学代表の選考合宿も辞退した。「かなり落ち込んだ」とチームに迷惑をかけただけに、大学生最後のリーグ戦の目標は打率5割、10打点、20盗塁に定め、開幕週の2試合では計5盗塁をマークした。「自分の成績でチームを勝たせる」と4季連続優勝も狙っていく。【藤田健志】
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