パリ・パラリンピックの女子車いすマラソンに出場し、12位でゴールした喜納翼選手(34)=沖縄県うるま市出身=の両親は8日、沖縄からパリに駆けつけ、娘に声援を送った。結果は東京大会の7位には及ばなかったものの、「厳しいコースを最後まで走り抜けてくれた」とたたえた。喜納選手の友人や練習仲間は、終盤の追い上げを「翼さんらしい走り」と誇らしげに語った。

 父肇さん(64)、母貴子さん(64)はコース沿道で待機。目の前を通過する娘を「頑張れー」と大声で鼓舞した。

 石畳な上にカーブの多い厳しいコース。スタートは出遅れたものの、25キロ辺りから一つずつ順位を上げた。肇さんと貴子さんはそのたびに「また1人抜いたぞ」と力を込めて喜んだ。結果は12位だったが、「世界のトップレベルと十分に戦った。自慢の娘です」と頬を緩めた。

 沖縄国際大学時代、喜納さんとバスケットボール部で共に汗を流した安里愛乃さん(34)は出発前、いつものように「楽しんで走ってきてね」とメッセージを送った。「結果に本人は納得いってないと思うけど、16位から12位まで追い上げただけでもすごい」と強調。「沖縄に帰ってきたら、いつも通り『お帰り』って迎えたい」とねぎらった。

 競技を始めた中学生のときから喜納選手を慕い、今も週3回一緒に練習している安村妃良梨(きらり)さん(23)は「後半で巻き返せる力はさすが。尊敬する翼さんを励みに私も力を付けたい」と意気込んだ。

 レース後、喜納選手は「多くのサポートと応援で今がある。感謝の気持ちでいっぱいです」と周囲に感謝した。(社会部・大野亨恭)

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