○阪神2―1中日●(5日・甲子園)
中日の11安打に対し、7安打と阪神の安打数は少ないが、勝敗を分けたのはバントだった。2番・中野拓夢のバント内野安打が、決勝の2点につながった。バントせずに前半の好機を逃した中日とは対照的だった。阪神は今季、中日に甲子園で10勝1分けと負けなかった。
両チーム無得点の三回1死から近本光司が四球で出塁し、バントのサインが出た中野はここで日ごろの反省を生かす。「本当は一塁側にしたかったが、最近ボール球まで無理にやって失敗していた」。中日の左腕・大野雄大に対し、「外の真っすぐ」と読み、素直に三塁方向へバントで転がし、内野安打になった。一、二塁と好機を広げ、森下翔太の先制適時打と佐藤輝明の2点目の犠飛につながった。
貧打の中日は一回と四回に先頭打者が出塁したが、立浪和義監督は強攻策を選択し、無得点に終わった。一方、岡田彰布監督はシーズン後半に入り、なかなか打線がつながらない中、先制点の重要性からバントを多く用いる。好調の近本が出塁するケースが多く、バントの機会が増えていた中野が、監督の期待以上の結果で応えた。【荻野公一】
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