日本代表戦を前に記者会見に臨む中国代表のイバンコビッチ監督=さいたま市で2024年9月4日、高野裕士撮影

 米国、カナダ、メキシコの3カ国共催となるサッカーの2026年ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選で、日本代表の初戦(5日・埼玉スタジアム)の相手となる中国代表のイバンコビッチ監督は「日本キラー」として知られる。

 前日の4日にさいたま市内であった中国代表の記者会見では「川口、中田、中山、中村、遠藤……」と歴代の日本代表の主力選手の名前を挙げ、「知日派」ぶりを示した。

 前回22年W杯カタール大会のアジア最終予選の初戦(21年9月)で日本は当時イバンコビッチ監督が率いていたオマーンに、ホームで0―1で敗れた。当時も日本を指揮していた森保一監督は「かなり分析された感覚が印象として残っている。今回も我々のことを徹底的に分析して戦いに挑んでくると思う」と警戒する。

 さらに歴史をさかのぼると、05年3月のW杯ドイツ大会アジア最終予選で日本は、イバンコビッチ監督が率いるイランにアウェーで1―2で敗れた。11万人の観客が詰めかける異様な雰囲気の中で行われた試合は、06年ドイツ大会に向けたアジア予選で日本が唯一喫した黒星となった。

 日本が悲願の初出場を果たした1998年W杯フランス大会でも因縁がある。イバンコビッチ監督は当時、母国のクロアチアのアシスタントコーチを務め、1次リーグ第2戦で日本を1―0で降し、W杯初出場で3位に入る躍進を遂げた。

 中国を率いて臨む今回、試合前日の記者会見で「日本にここまで勝つ秘訣(ひけつ)は何か」という質問にイバンコビッチ監督は「確かに私は日本との試合の経験が豊富にある。ただ日本も98年W杯以降、非常に大きく成長している。私たちにとって最も大事なのは、選手がトレーニングで培った技術や理解したことを本番で実践することと、勇敢に戦うこと」と語った。【高野裕士】

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