練習前にコーチと話すパリ・パラリンピック競泳の米国代表アレクサンドラ・トルウィット(左)=8月2日、米コネティカット州(AP=共同)

 【パリ共同】水泳への愛情を失いたくない―。パリ・パラリンピック競泳女子の米国代表アレクサンドラ・トルウィット(24)は昨年5月、サメに襲われて左膝から下を失った。トラウマを乗り越え、1日から競技に出場。悲劇からわずか1年3カ月でパラの舞台に臨み、不屈の精神が多くの人に勇気を与えている。  米メディアなどによると、大学の水泳選手だったトルウィットは卒業旅行で友人とカリブ海の島を訪れた。シュノーケリングを楽しんでいると突然サメが寄ってきた。蹴って抵抗したが、左脚をかまれてしまった。  約70メートル離れたボートまで必死に泳いで逃げ、その後に病院へ運ばれたが、23歳の誕生日に手術で膝下を切断することになった。  「水の音を聞いただけで、あの日の記憶がよみがえる」。幼い頃から親しんできた水が恐怖に変わった。「暗い日々だった」というが、水に入る喜びを取り戻したいと前を向いた。  自宅にあるプールで腰まで水に浸る練習から始めた。トルウィットは自身の経験を振り返って思う。「私たちは自分が思っているよりもずっと強い」


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