8月26日に愛知県安城市の「ホテルグランドティアラ南名古屋」にて、男子プロバスケットボールリーグB1・シーホース三河の「新チーム体制発表およびアリーナ情報に関する記者会見」が開かれた。
今回の記者会見では「三河安城交流拠点(アリーナ)」(以下、新アリーナ)について、大きく分けて3つのことが発表された。一つ目が建設募金団体の設立について。2024年1月にシーホース三河が中心となり、三河安城交流拠点建設募金団体を設立。この団体がアリーナ建設に伴う寄付金の募集のほか、各種契約などを担っていく。
二つ目が負担付き寄附によるアリーナ事業について。これは民間事業者が施設等を整備したのちに自治体に寄附を行うもので、すでに他のスタジアム・アリーナでも事例がある。「負担付き」の部分では、シーホース三河が主体となり施設の維持管理・運営を行っていくことになる。会見では、三河安城交流拠点建設募金団体がアリーナを建設後、安城市へ寄贈。その後、シーホース三河がアリーナ運営会社を設立し、施設の維持管理・運営を行っていくことが発表された。
三つ目がアリーナの概要および開業までのスケジュールについて。新アリーナは4階建て鉄筋コンクリート造で、敷地面積約3万平方メートル、延床面積約1万5000平方メートル、観戦席は約5000席。バスケットボールのゲームだけでなく、ほかの室内球技やコンサート等に対応したメインアリーナのほか、子供向けルームや貸し会議室、イベント時のVIPルームとして使用できる27の諸室などを完備する。なお、施工会社には竹中工務店が選定された。
南側に造られるマルチコンコースは約700平方メートルのスペースを持つ多目的空間で、市民の交流の場として利活用が期待される。アリーナの2階・3階のコンコースにはマルチユニットと呼ばれる箱型の店舗を設置し、施設の使い方に応じて増築や入れ替えを行っていく。
また、昨今の建設ラッシュや建設業界の人材不足の影響を受け、完成は当初より後ろ倒しとなる2028年3月予定と発表された。
会見に同席した安城市の三星元人市長は「新アリーナ構想を初めて耳にしたとき、興奮したのを覚えている。市長に就任してからは、なんとしても安城市にアリーナを実現したいと思い、進めてきた」と話し、「(新アリーナは)西三河の中心として、求心力を持って大勢の方を引き寄せてもらい、地域の活性化につながれば」と期待を寄せた。
2026年から「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」と呼ばれるトップカテゴリーがスタートする。Bプレミア参入には「平均入場者数4000人以上」「売上高12億円以上」「5000人以上収容のアリーナ」の3つ条件がある。今回の新アリーナはライセンス基準を満たしており、施工業者も決まって建設の見通しが立っている。シーホース三河の寺部康弘社長は「(Bプレミア参入の)条件はそろったと認識している」と審査合格へ自信を口にした。今後のライセンス審査を無事に通れば2026年からシーホース三河はBプレミアで戦うことになり、2028-29シーズンからホームアリーナとして新アリーナが利用される。
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