日本男子ゴルフのツアー制度が始まった年に創設されたフジサンケイクラシック。
昭和・平成・令和と半世紀を超える歴史の中で、数多くのニューヒーローが誕生し、様々なドラマが生まれる舞台となって来た。
今年で52回目を迎える伝統の大会で注目なのが、23年の大会でアマチュアトップの成績に輝いた中野麟太朗(早稲田大学3年生・20)選手だ。
所属する大学ゴルフ部を1934年の創部から初めての全国制覇に導いたほか、プロツアーでも国内開幕戦の東建ホームメイトカップで、初日単独首位に立つなど、結果を残しつつある。
身長185センチと恵まれた体格。そして、ボクシングで培ったキレのあるショットを武器に持つ逸材を、本田真凜さんが取材した。
アマチュアゴルフ界から出た期待の星
この日、本田真凜さんが訪れたのは富士山の麓に位置する名門ゴルフコース。
真凜:
みなさーん、こちらはフジサンケイクラシックの舞台、富士桜カントリークラブです!
本田さんが訪れたコースで開幕直前、練習ラウンドをしていたのは、今日本で最も勢いのあるアマチュアゴルファー、早稲田大学3年生・中野麟太朗選手。
23年の日本アマチュアゴルフ選手権で3回に及ぶ激闘となったプレーオフを制し優勝。
さらに今年、早稲田大学のエースとして創部91年目で初の大学日本一にチームを導き、全国に名を轟かせた。
23年のフジサンケイクラシックでアマチュアトップの15位タイに入った際には番組出演すると。
中野:
マスターズは松山英樹さんが勝ったんですけど、他のメジャーでは自分が最初に日本人で優勝できたらなと思っています。
堂々とこう語り周囲を驚かせた。
ノーコック打法から生まれる抜群の飛距離
そんな彼の強さの秘密は何なのか。
中野選手のキャディを務めていたこともある父・恵太さんに聞いてみた。
真凜:
麟太朗選手が結果を残せている要因は何でしょうか?
父・恵太さん:
元々こんなにうまくなるとは思わなかったんですが、麟太朗はこういう動きが出来ないんです。ゴルフで重要なコックって言う動きなんですけど。
父・恵太さんが語ったコックとはクラブを握る左手、その手首がスイングのトップに向けて曲がる動作のこと。
実際に、前回王者・金谷拓実プロのスイングと比べてみると、たしかに、中野選手は手首のコックが小さい分、クラブの動きが小さく見える。
バックスイングの頂点でのクラブヘッドの位置に注目すると一目瞭然だ。
父・恵太さん:
(スイングの)トップ。いわゆる振りかぶりが小さいと、助走距離が短いので飛ばないと思われがちなんです。
しかし中野選手のドライバーショットを本田さんが目の当たりにすると…
真凜:
一瞬で見失いました(笑)速すぎます(笑)
中野:
僕も見えなかったです、今のは(笑)
前回大会のフジサンケイクラシックでの中野選手のドライバー平均飛距離は、プロを含めても全体8位の326.25ヤードを記録している。
飛距離の秘密はボクシングトレにあり
助走距離が短いスイングでも、飛距離を伸ばすコツを本人に直撃してみると…
中野:
自分はボクシングをやっています。2年くらいやっています。飛距離で言ったら20~30ヤードくらい伸びていると思いますよ。ただ人は殴らないです(笑)
おどけながらこう話す中野選手は、振り幅が小さい分スピードが出づらいノーコック打法の弱点を補うため、ボクシング練習によって、スイングスピードをアップさせていた。
プロゴルファーの平均的なヘッドスピードは48m/sと言われているが…
父・恵太さん:
身体の中心のスピードを上げればそれだけスイングスピードも上がる。(麟太朗は)助走スピードは無いですけれど53~54m/sのヘッドスピードが出せます。この(インパクトの)一瞬だけ出ればいいんです。
その結果、プロに負けない飛距離で安定したティーショットという武器を手に入れた。
そんな中野選手が挑む、富士桜カントリークラブはパー70史上最長の7,424ヤードを誇るモンスターコース。
その特徴は距離の長さだけでなく、グリーンやフェアウェイに隣接する深いラフ。2023年の大会でも多くのプロが悩まされ、スコアを落とす要因となった。
さらに、プロ選手でもラインを錯覚するという、富士山からの傾斜を生かした難解なグリーン。
長い距離、深いラフ、難しいグリーン。昨シーズンの国内ツアーで、最難関のコースに位置づけられている。
このモンスターコース攻略へ中野選手の目標を聞いた。
中野:
具体的な目標を挙げれば、やっぱり優勝したいです。自分の持ち味であるドライバーとかを思いきり振って、来て下さる観客の皆様に自分のゴルフを見ていただければと思います。
真凜:
今日、本当に凄かったです。頑張ってください、応援してます!
フジサンケイクラシックは8月29日(木)に大会初日を迎え、4日間の戦いで争われる。
◆52nd フジサンケイクラシック 放送スケジュール◆
・8月31日(土)第3日 午後1:35~2:50 LIVE(全国ネット)
・9月1日(日)最終日 午後1:30~3:00 LIVE(全国ネット)
地上波フジテレビ系列生中継
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