レイズ戦の九回、今季40号となるサヨナラ満塁ホームランを放ち、本塁で祝福を受けるドジャースの大谷翔平(右から2人目)=米ロサンゼルスで2024年8月23日、AP

 米大リーグの大谷翔平選手がまた一つ偉業を成し遂げた。史上6人目となる「40本塁打、40盗塁」を達成した24日、出身地である岩手県奥州市のゆかりある人たちからは「本当にすごい」「うれしくて寝られないかも」と喜びの声が上がり、劇的なサヨナラ満塁本塁打で記録を仕上げたスターの活躍ぶりに沸いた。

 「まるでパブリックビューイングで、店内は大歓声が上がりました」

 大谷選手のサインボールやユニホームなど200点近くを待合スペースに展示している同市内の美容室「Seems」。オーナーで、私設ファンクラブの代表を務める菅野広宣さん(63)は店のテレビで利用客8人、スタッフ6人と歓喜の瞬間を味わった。

 菅野さんは「(対戦相手のレイズと)大谷選手は相性が良いので、きょう達成すると信じていた。奥州市の誇りです」と話した。

 大谷選手が少年時代に通っていた「前沢バッティングセンター」のオーナー、小林長男(おさお)さん(74)も、メモリアルの一打を事務所内のテレビで見守った。

 「あの場面でサヨナラ満塁打っていうんだから、本当にすごい。四回の盗塁も、相手キャッチャーはボールを投げることもできなかったんだから大したもの」と喜んだ。

 試合は店内の大型テレビに映していたが、見守る人は意外と少なかった。「常連さんたちはお盆疲れがあるのかもしれないが、大谷選手は力がみなぎっている。50本塁打、50盗塁も夢じゃない」と語った。

 「時間の問題と思っていたが、まさか本塁打も盗塁も同じ日に達成するなんて」。大谷選手の実家近くに住み、幼少期を知るという「大谷翔平ふるさと応援団」元顧問の立花公夫さん(83)はそう声を弾ませた。

 大谷選手が2023年11月にメジャー史上初となる2度目の満票でア・リーグの最優秀選手(MVP)に輝いた際は「神様を超えて宇宙人」と表現した立花さん。「本当の宇宙人ですね。うれしくて寝られないかも」と喜びを語った。【竹田直人、井口慎太郎、千脇康平】

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