第106回全国高校野球選手権大会は最終日の23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で関東一(東東京)―京都国際の決勝が行われる。両校、夏の甲子園初の決勝進出で、どちらが勝っても初優勝。高校野球の「聖地」で全国の頂点を懸けて激突する。
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京都国際は、東大阪市内の球場で約1時間半、打撃練習に時間を割き、相手の左右両投手への対応を確認した。藤本陽毅主将(3年)は「最後、やってやるという気持ちしかない。決勝だからと気負わず、焦らず、自分たちのプレーを心がけたい」と意気込んだ。
1947年創立の京都朝鮮中が前身で、野球部は99年に創部。硬式では外国人学校として初めて日本高校野球連盟に加盟した。2003年に学校教育法が定める「学校」として認可され、日本の教育課程も学ぶ私立校となった。
甲子園初出場は21年春のセンバツで、今回が春夏合わせて5回目。夏初出場だった21年にベスト4入りし、近年好成績を残す。今春のセンバツにも出場し、今夏は春夏通じて初の決勝進出を果たした。
今大会は、春の近畿大会を初制覇した勢いそのままに、左腕の二枚看板、中崎琉生(3年)と西村一毅(2年)両投手が3試合連続完封を達成。準々決勝で21年夏の準決勝で敗れた智弁学園(奈良)、準決勝では今春サヨナラ負けした青森山田にも雪辱した。
チームの目標だった4強超えをすでに上回り、新たな歴史を刻んだが、藤本主将は「自分たちの野球をしっかりすることを一番大切にしたい」と淡々と話す。
吹奏楽部がないため、これまでアルプス席では京産大付の吹奏楽部が演奏。23日の決勝にはバス約15台を手配した。全校生徒138人と小規模な学校ながら、在校生や保護者のほか、京都国際OBや友情応援校など約2800人が駆けつける。
京都勢の夏の決勝進出は、05年の京都外大西以来、19年ぶり。優勝となると、56年の平安(現龍谷大平安)以来、68年ぶりとなる。【日高沙妃】
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