熱戦が続く夏の甲子園、鹿児島県代表の神村学園、21日の準決勝はまさに死闘でした。初の決勝進出をかけて、東東京代表の関東第一と戦いましたが、あと一歩のところで敗れました。それでも鹿児島県勢初、夏の甲子園2年連続ベスト4の快挙達成です。

井上彩香アナウンサー
「朝から熱い日差しが降り注ぐ阪神甲子園球場です。1塁アルプスの大きな声援が、選手達を大きな声で後押しします」

アルプススタンドでは吹奏楽部員が「勝利への一歩一歩をつかんでもらうような演奏をしたいと思っています」と力強い決意。

一方、神村学園がある、鹿児島県いちき串木野市ではパブリックビューイングが。

河内杏月アナウンサー
「いちき串木野市のパブリックビューイング会場です。こちらでは地元の野球チームの皆さんが神村学園に声援を送ります!」

学校でも生徒や職員約300人が集まり、試合の行方を見守ります。

試合の序盤、神村学園の先発・エース今村は準々決勝を4回途中で降板した悔しさをぶつけます。

キレのある変化球が効果的にきまり、3回までに4奪三振。

アルプスで見守る母・今村かおりさんも「きょうはちょっと安心して見られてます」と話します。

すると4回。4番・正林が攻撃の口火を切ります。

センター前にはじき返し、1アウト1塁とチャンスを作ります。

送りバントで2塁にランナーを進め、打席には今大会毎試合打点をあげている6番・上川床。

均衡を破るセンターへのタイムリーヒットで神村学園が先制。地元の応援も盛り上がります。

応援に来た中学生
「もっと点数を取って、先輩たちももっと活躍してくれることを期待しています」
応援に来た親子
「1点取れたので勝つと思います!」

しかし7回、ここまでノーヒットピッチングの神村学園・今村がつかまります。
2本のヒットに、守備のエラーも重なり1対2と逆転を許してしまいます。

それでも、神村学園は諦めませんでした。

9回、1アウトで打席が回ってきたのは、準々決勝で左肩を痛め、朝まで試合に出られるか分からなかったという5番・岩下。執念のヒットで塁に出ます。

そして、先制タイムリーの上川床も連続ヒットで続き、1アウト2塁1塁、一打逆転のチャンス。

2アウトのあとバッターボックスには、今大会初打席となる代打・玉城。3年間の思いを、この一打席にかけます。…

その思いが乗り移った打球はセンターへ!2塁ランナーの岩下が一気に本塁をめざします。

しかし、関東第一のセンターがすばらしいバックホーム!

主審のジャッジは、無情にもアウト!神村学園は1対2で敗れ、2年続けて決勝への扉は開きませんでした。

試合後の選手は…。

3安打の活躍・上川床勇希選手(3年)
「負けた感じがしないというか、勝ったのかなみたいな、まだ終わった感じがしない」

地元で応援した人たちも健闘をたたえました。

「とても勇気づけられるような粘り強い試合で、元気になれました」

串木野ドリームス 佐藤正剛監督
「映っている先輩たちも、応援している後輩たちも一体となって応援できた。市民も一緒になって応援できたことはすごくうれしいこと」

神村学園・女子サッカー部員
「もうちょっと行けるかなというので、ずっと見ていたんですけど、最後まで諦めないところだったり、気持ちのところを見せてくれたので、すごい感動をもらいました」

神村学園・女子駅伝部員
「プレッシャーもある中で、あのプレーができたのはすごく尊敬できる」

あと一歩で決勝進出を逃した神村学園。しかし鹿児島県勢初となる2年連続夏ベスト4の快挙を残し、2024年の夏が終わりました。

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