DeNAのオースティン=神宮球場で2024年7月24日、渡部直樹撮影

○DeNA2―1巨人●(18日・横浜)

 試合前の段階で首位から8ゲーム以上離された借金生活。それでもDeNAファンが優勝へのいちるの望みを捨てないのは、この人がいるからこそ。4番のオースティンが、3季ぶりの20号到達となるサヨナラソロでチームを救った。

 先頭で迎えた1―1の延長十一回。代わったばかりの巨人・平内龍太の初球、「意識していた」というストレートが高めに来たところを完璧にとらえ、左中間席に運んだ。殊勲のスラッガーは「最高の気分です」と喜んだ。

 ナイスガイだ。前夜は1―11と大敗した上、両軍ともに死球が出て、警告試合となる後味の悪いものだった。それでもオースティンはこの日の試合前、死球を受けた巨人の大城卓三の元を訪れ、気遣った。「彼の体調が心配だった。巨人にも、彼にもリスペクトを持っている」と語る。

 当然、大台の到達も意に介さず。「ホームランをたくさん打てたらかっこいいとは思うけど、試合に勝つことが何よりも大事」と言う。

 けががちなところが玉にきずだが、チームに欠かせない存在であるのは間違いない。三浦大輔監督も「全員が助かりました」と主砲の一発に感謝した。【岸本悠】

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